内容説明
父親殺しの罪を着せられ、犯人を知りながらも真実を口にせず、刑に服した女性。彼女の心の内に秘められていたものは、決して誰にも知られることのない愛だった…。(「永遠の女囚」)愛するが故に無実の罪をかぶり、愛するが故に殺人を犯してしまう…。愛のために犯罪を犯してしまった人々の脆さと事件解決を導く探偵達の恐るべき推理力。横溝正史、江戸川乱歩、高木彬光らを生み出した雑誌「新青年」から幻の探偵推理小説八篇を収録したアンソロジー。時代を超えた名作が甦る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大泉宗一郎
10
日本の推理小説の礎を築いた推理雑誌「新青年」から選出された短編傑作選。横溝正史、高木彬光、佐藤春夫の作品を目当てに拝読したが、あまり印象に残るものがない・・・。一番の目当てだった横溝正史の『蔵の中』は、江戸川乱歩の『人間椅子』の多重構造性をさらに掘り下げた意外な”仕掛け”のある短編だが、おおむね耽美主義と退廃主義に傾いており、『人間椅子』に追いつかんとしてやや失敗している気もする。すんません、わからなかった・・・。2018/11/11
eazy
3
大正・昭和初期の推理探偵小説アンソロジー。8編が収録されているが、やはり横溝正史の「蔵の中」が郡を抜いた出来栄え。 巻末の解説「「新青年」の歴史と編集者」の資料価値が高く、 多くの新人作家を生み出したこの雑誌の大衆文学史上の意義をあらためて思い知る。 横溝のデビューが乱歩より早かったとは知らなかった。2002/04/15
ユウユウ
2
昭和初期に発表されたものとは思えない設定の新しさに驚愕。
田中
0
大好き
角
0
L2012/03/27