感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
48
ジャンル分け不毛の赤江瀑。妖しい世界に浸りたい人にはやめられない物語の数々。歌舞伎、舞踏、能、養蜂と特殊で狭小の業でありながら昏い闇を見つめる人。4つの短編集のなか甲乙つけがたいが「禽獣の門」この展開なら夫婦の破滅に向かうのかと思いきや!斜め上を突き抜けなんといえばいいのか清々しい。それと「獣林寺妖変」が好みの出来です赤江瀑。2024/03/04
ケロリーヌ@ベルばら同盟
25
デビュー作となった表題作を含む4篇の作品を収めた短編集。角川文庫第4刷は、横尾忠則装画、中井英夫解説という何とも贅沢な一冊。怖いから、恐ろしいから、美しい、赤江瀑の小説と京都の夏は分かち難い。絢爛たる美が光り輝く程、その陰は密度を増す。とろりと甘い暗がりに蠢く芸術という魔物の虜囚らの悲嘆、情念、妄執を搗き固め、しっとり重いこの本を匕首のように懐に忍ばせ、或いは黄金色の蜜を湛えた小瓶のように掲げて、この夏、私は、陽盛りに目を灼かれながら都を彷徨うだろう。足下に蟠る闇を纏わらせ、美の眷属たちの囁きに導かれて。2018/07/09
blue_elephant
8
赤江瀑氏をようやく知り、この頃続けて氏の作品を読む。デビュー作『ニジンスキーの手』を含む短編集。解説に中井英夫氏。古典芸能、伝統工芸の世界の造詣にも深く、官能的で悲哀に包まれる男性間の愛憎が美しい言葉で紡がれる。中毒性の強い作品。2019/05/19
アレカヤシ
3
「阿修羅花伝」の春睦と雪政が「禽獣の門」に出てきてうれしかった。この二人の関係はとてもいいなあ。「殺し蜜狂い蜜」がすごくすきだった。酔った。他二篇、「獣林寺妖変」、「ニジンスキーの手」。 中井英夫の解説も熱っぽくていい。2019/04/08
氷沼
3
同性愛を、能、鶴、蜜蜂、琥珀をモチーフに描いた情念溢れる幻想的で妖しい作品集。素晴らしい! 2004/10/24
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- 和書
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- やさしいコンピュータ科学