内容説明
時代小説や評伝、エッセイを通して、日本史を賑わせた人物の魅力あふれる姿を描いてきた著者が、歴史家や作家とともに語る「日本史探訪」。図らずも時代の表舞台に立たされ、歴史の大波に翻弄されたヒロイン、ヒーローたちの数奇な運命を辿り、後世に語り継がれたイメージとは異なる真実の姿を探る。また、武士政権の都、鎌倉に思いを馳せ、古都をめぐる歴史の構図を解き明かす。「孝謙・称徳女帝」「鎌倉」「北条政子」「足利義政」「お市の方と淀殿」などを収録。
目次
愛と政治に揺れた古代の女帝―孝謙・称徳女帝
讒言者として憎まれた軍奉行―梶原景時
東国に築かれた武士政権の町―鎌倉
幕府存続に奔走した尼将軍―北条政子
文武両道に秀でた江戸城主―太田道灌
さびの東山文化を開いた将軍―足利義政
時代に翻弄された室町将軍―足利義昭
戦国の世に散った美貌の母娘―お市の方と淀殿
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cybertiger
2
永井路子さん+(杉本苑子さん他)で語られた『日本史探訪』。対談風に見えるが、これは編集によるものと永井さん自身が後書きで暴露している。この方が自分の意見を遠慮せずに言えると評価もしている。発表年代は旧い。このため「太田道灌」の章で道灌を、北条早雲と同い年なのに「一時代前の感じの人」という感想を述べておられるが、新説だと早雲は道灌より20歳年下なので当然ですね、ということになる。個人的に圧巻は杉本苑子さんの暴走のせいで、さながら「淀殿と北政所」となってしまった「お市の方と淀殿」である。2024/03/27
KT1123
2
初出が昭和46年とかのNHKの歴史モノの番組を編集した永井路子さんと、歴史家や作家の「対談」集。どうやら、実際には対談ではなく、それぞれ取材したものを対談風に編集した番組だったらしい。あとがきでそんなことが書いてあった。何年か続いたらしい番組の、永井さんが出た回をまとめたのかな?永井さんといえば北条政子やお市の方と淀君母子、日野富子といった女性史も定番だけど、鎌倉時代初期の源氏三代将軍と北条氏の話など、永井さん追いかけてれば耳新しい話ではないんだけど、鉄板というか安定というか、かな。2021/10/01
紫
1
刊行は1999年ですが、初出は全て1970年代の対談集であります。 およそ40年前の歴史対談ですから、現在の通説では首を捻るところも多々あり、歴史研究の日進月歩を感じることしきり。しかし、現在の通説も40年後には古びて、まるで違った評価を受けているでしょう。温故知新と思ってお読みください。 持論を強気で展開なされる永井路子先生ですが、最後の杉本苑子先生との対談では、負のオーラすら漂わせる杉本先生の容赦ない北政所悪女論に引いてしまっていて苦笑い。そして、あとがきでまさかのどんでん返し(!)。星3つ。2013/06/07
bunca
0
やはり永井路子さんの描くものは源平・鎌倉時代が生き生きしている。2014/02/11
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- 和書
- 雪山童子 - おとうとに