角川文庫<br> 王朝序曲―誰か言う「千家花ならぬはなし」と〈下〉

角川文庫
王朝序曲―誰か言う「千家花ならぬはなし」と〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041372050
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

六十の齢に達し、病床の身にあった桓武帝は、いよいよ安殿に譲位した。平城帝が誕生し、ひとつの時代が終りを告げた。新帝は、一度は遠ざけられた藤原薬子を近任させ、薬子は宮廷での権力を強めた。出世に背を向けた冬嗣は、鷹揚な皇子・賀美能に仕えるが、計らずも平城は、賀美能を皇太子に指名し、冬嗣もまた、政治抗争の中央へ引き出されていく…。桓武から平城、そして嵯峨へ。権力と愛欲の葛藤がくりかえされ、平和がくる。野望と挫折、長編歴史大河小説の力作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねむねむあくび♪

51
図書館の本。一気読みでした!!O(≧∇≦)O 帝王、巨人の政治から、穏やかでしたたかな官僚社会のへの質的な変革は、COOLで冷静な藤原冬嗣の、密やかな凄さを物語る。政治は官僚へ、文化は帝へ。日本の漢詩漢文が花開き、和歌集へと連なってゆく。また、源氏誕生の謂れも興味深かった。2015/08/06

Haru

41
まさに「序曲」。桓武から平城へと続いた権力闘争は終焉を迎え、嵯峨に始まる「平安」な時代へ。奈良から長岡、平安と目まぐるしく変わった王都、皇太子を巡る思惑や陰謀、疑心。昼ドラもかくやと思われるドロドロした人間ドラマが、権力に興味のない嵯峨天皇の即位により、花鳥風月を愛で中国詩文に浸る文雅の王朝開幕へ。それに沿う形で政治の中心を歩いた、藤原内麻呂、真夏・冬嗣兄弟、それぞれの政治に対する姿勢の対比も面白く、驚くほど時代の流れが理解しやすかった。また冬嗣ら登場人物が現代語で思考、会話するのも読みやすい一因かと。2015/07/14

ちゃいろ子

40
ずいぶん前に読み終えていたのになかなか感想を書く余裕がなく。 とてもとても面白かった。永井路子さんの平安朝三部作、読み終えてしまって寂しい。 桓武天皇と安殿の愛憎。 そして嵯峨天皇の誕生。 冬嗣の聡明さが光り、もっと彼のことを知りたいと思った。 穏やかに、人の話を聞き、自己主張を避け、人の憎しみを買わない方向に物事を運びつつ、政治を動かす。人の命を奪わないで事を運ぶ鮮やかな手腕に感動してしまった。大事な一冊になった。2022/10/10

けやき

39
桓武が崩御し、平城、嵯峨の治世へ。薬子の変がどんなだったかも分かる。面白かった。2024/01/08

ちゃいろ子

36
大好きな時代を再読するよ旅中。 桓武天皇→平城天皇→嵯峨天皇という時代の渦の中、暗躍する藤原家。 北家がいかにして嫡流として盤石な地位を築いて行ったか、、うーん、面白い。 そして薬子に興味津々。 薬子の京読みたい。2024/03/17

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