内容説明
“馬主のお嬢さん”麻見は“下っ端牧童”カズオと恋に落ちた。が、成就せずに十年が経ち、女優となって成功した麻見は医師の夫と一見優雅な日々を過ごしている。一方、カズオは酪農留学などキャリアを積み立派に成長し、三児の父になっていた。それぞれの幸せをつかんだはずの二人は劇的に再会し、大きく心がつき動かされていく―。壮大な北海道の自然を舞台に、愛の輝きと野性を描いた、鮮烈な恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
練りようかん
8
女優の母を憎み愛着の問題を抱える主人公。ためし行動ばかりが目につくが、夫はのほほんとしてこれは物足りないだろう、不倫にはしるのは必然に感じた。10年引きずった恋の決別が再燃するきっかけになり、誰も止められない勢いがはっしと感じられるのが良い。言ってることとやってること逆じゃんという人間の愚かさ、エゴイズムがムンムン。主人公の母に振り回される男がいて、1組の泥沼じゃなくて2組の片方ずつにしたのが巧い、結局母娘の私の方が強く求められてるわ対決に思えた。北海道の大自然を舞台に原始的な希求。さすが。面白かった。2024/10/23
ポッポ
0
主人公以外の登場人物のこともすごく丁寧に書かれていて読み応えがありました。解説を読んで続編だということを知りました。「虹が・・・」もぜひ読んでみたいです。2010/08/01