感想・レビュー
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筑紫の國造
3
ジャーナリストの大物、大宅壮一による「現代怪物伝」。政治家から企業家、医者、芸術家、芸能人、宗教家と、取り上げる職業は様々。共通するのはいずれも「一筋縄ではいかぬ」(大宅)クセの強い人間であるということ。文章は極めて平易で、急所を外さない的確な人物評論になっている。どの人物もその分野で大をなしており、思想的な区別を付けずに短所・長所を取り上げている。それでも人物に好悪はあるようで、三木武吉や藤山愛一郎、森繁久彌には好意的で、谷口雅春、勅使河原蒼風には厳しい。大宅は自分を飾るように見える人物が嫌いなようだ。2016/10/30