内容説明
近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った西郷隆盛の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。西郷を通じて描かれた維新史としても読みごたえ十分の力作。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の三シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
106
面白かったです。西郷どんのダイジェスト版という雰囲気はありますが、その筋の通った生き様を感じることができました。素晴らしい思想と残した業績は歴史の中では大きな力であることを改めて気付かされます。信念と理想が大きかっただけに、維新後の世界をどう見たかと思うと複雑な心境になりました。これを踏まえて、今度は『翔ぶが如く』を読もうと思います。2017/02/08
i-miya
58
2013.02.06(01/20)(つづき)池波正太郎著。 02/04 (P089) ◎西郷、帰還。 (寺田屋騒動)-島津久光は、京都朝廷と江戸幕府の間を取り持ち、政局の中核になろうと意欲を燃やす。 朝廷は幕府に政治改革策を出す(1)外国勢排除、(2)将軍は上京せよ、(3)島津、毛利、山内、前田、伊達の五大老任命、(4)慶喜、将軍を補佐させ、松平慶永-大老職とすべし。 薩摩=大久保が暗躍、島津久光を補佐、 幕府は要求の大半を飲む。 久光、対幕府要求二十三箇条。 2014/02/06
i-miya
58
2013.04.03(初読)池波正太郎著。 2013.04.02 (カバー) 西郷隆盛は、詩人のこころをもった理想家であり、教育家であり、そういう政治家であった。 芸術家になっても素晴らしい業績を残したであろう。 さらに、軍人でもなかった。 (解説=常盤新平) 西郷さんの記念碑を問うと、襟を正す運転手。 S42出版、『西郷隆盛』。 『錯乱』で直木賞。 2013/04/03
i-miya
52
2013.11.20(11/20)(つづき)池波正太郎著。 11/19 (寺田屋騒動、つづき) 西郷は、神戸から鹿児島へ送り返されこの年6月、今度は沖永良部島へ流され、村田新八も鬼界ヶ島へ配流、同じく森山新蔵は鹿児島へ護送、、自殺。 勤皇?勤王?の志士たち、久光は頼れぬ、要人襲撃だ。 4/22-4/23、大坂→伏見、船、伏見の旅宿、寺田屋へ集結。 総員、40人、有馬新七も加わる。 有馬は京にいる長州と手を結ぶ。 島津久光は激高し、もなのもの、ひっろらえよ。 2013/11/20
i-miya
47
2013.12.28(12/20)(つづき)池波正太郎著。 12/27 (p085) (寺田屋騒動) 蓬莱橋船着き場付近にある寺田屋。 薩摩藩の定宿。 鎮撫使。 出頭してたもし、と有馬新七に言う。 ことわる。 柴山、橋口、口々に、このままおめおめと戻れるかと言い募る。 奈良原喜三郎、応じないなら、上意うちにするぞ。生き残り二人も翌日自腹。 決死の奈良原の説得におれる。 田中河内介もおれる。 京都藩邸に収容された。 資し22名、鹿児島へ戻される。 2013/12/28