内容説明
甲賀忍者、丸子笹之助は“信玄暗殺”の密命を帯びて甲斐に赴く。途中、常陸の鹿島に剣名の高い塚原卜伝を訪ね、その推挙を得て武田家に仕えることに成功する。だが、笹之助は信玄の侍女・久仁に熱い血潮をたぎらせ、密命と恋の板ばさみに陥る。上杉謙信との川中島大会戦前夜、笹之助に課せられた任務を知りつつ、それを許す信玄。その包容力と偉大さに感動した笹之助の背後に強力な甲賀忍者の群れが忍び寄った。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京浅草生まれ。下谷西町小学校卒業後、株式仲買店に勤め、海軍入隊。戦後、都職員から長谷川伸門下生となり新国劇の脚本と小説を発表。60年「錯乱」で直木賞受賞。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の三シリーズで時代小説の第一人者となる。吉川英治文学賞受賞。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鈴木拓
20
面白いものはいつ読んでも面白い。 感想は下巻読了後に。2020/09/17
Nat
9
感想は下で。2017/11/08
なーちゃま
8
へー。面白い。祖父の書棚から拝借。川中島の戦いを中心に描きつつ、甲賀忍者の笹之助と、同じく甲賀忍者の孫兵衛の暗躍を描く。信玄の首を取りに来たのに信玄に絆され、川中島の絶好の機会に信玄をかばった瞬間はたいへん驚いた。謙信vs信玄から始まった物語は徐々に織田・徳川との対峙にうつっていく。ずっと四郎勝頼が最初から嫡男だと思っていたので、太郎義信が元々は後継だったのは知らなかった。2024/08/02
デルタアイ
7
真田太平記を読んだ後のためだいぶ歴史が前後してる あっという間の読了 後半へ ☆8.9 2023/11/07
東森久利斗
4
愛情、敬愛、情欲、執念、怨恨、血も涙もある、臭いたつような人間味にあふれるウェットな忍びの世界。強く逞しく美しい、頼り慕い憧れ愛しむ女性像。第三者の忍びの目を通して語られる戦国時代のホットスポット、武田信玄、甲斐・信濃を中心に繰り広げられる戦国時代の陣取り合戦の委細な様相。敵味方の複雑な人間関係が分かり易い。塚原卜伝と武田信玄との関係は初耳。タイトルのセンスが最悪、意味不明、巨匠のセンスでないことを祈る。2025/02/14