内容説明
「もうどうでもいやになりました」と初恋のお関につぶやく車夫、録之助―樋口一葉「十三夜」。「水島さん」にひたすら憧れながら打ち明けられない少女豊子―吉屋信子「花物語」。破滅をいましめつつも恋のぬかるみに足をふみ込む赤良の狂歌。極北の絶望にむしろ力を得たり、少女の可憐にエールを送り、愛とエロスに酔いしれる。今も昔も変わらない恋する心の花びらを摘んで束ねた、お聖さんの古典案内。長谷川青澄画伯の美しい挿画入り。
目次
虚無のつぶやき―一葉『十三夜』
むかしの歌声
しがねえ恋の情けが仇―歌舞伎台本『与話情浮名横櫛』
夢みる花々の物語―吉屋信子『花物語』
夫婦は寄り合い過ぎ―西鶴『万の文反古』
美の金粉―西条八十詩集
小宰相入水―『平家物語』
よその女房―『武玉川』
お江戸の桃太郎―黄表紙の世界(その一)
千手観音のご商売―黄表紙の世界(その二) ほか



