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内容説明
悲惨な戦争のなかで受けたショックとマラリヤの高熱の後遺症でほとんどの記憶を失った牧童モミイチ。ただ従軍の時の愛馬ツキスミのことだけは鮮明に覚えていた。敗戦になって山の牧場に引き揚げてきてから出会った不思議なジプシーたち。オーケストラを組んで音楽を楽しむ彼らとのやさしい交流のなかで、モミイチは初めてやすらぎ、ツキスミのことを語る―日本児童文学者協会賞、サンケイ児童出版文化賞、野間児童文芸賞など、数々の賞を受賞した戦後児童文学の屈指の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
50
戦争が終わって、子どものころ過ごした牧場に帰ってきたものの、まるで少年に戻ったようなモミイチ。毎日が詩のような描き方だが、森の中で出合ったやさしい人々が、なぜか戦友と似ている奇妙さ。親身に世話をした軍馬ツキスミのひづめの音が幻として聞こえ、これは現実なのか白昼夢なのか。モミイチを戦争の犠牲者として考えれば、記憶を失ったことが、世界を明るく見せるのは、一層悲しいことだが、いろいろな読み方もできる作品だろう。2019/10/30
ツキスミ
3
再々読。大人でも読めるファンタジー。小学生の時に、感想文を書くために読んだ童話であり、私の読書の原点である一冊。主人公が世話をしていた馬が、私の名前のルーツである。2011/11/14
anniehappy
1
ほのぼのと優しい気もちになれました。2023/10/17