内容説明
製菓会社の企画課長白井陽介は身だしなみがよく品がいい、しかも妻帯者でありながら職場では家庭を感じさせない好感のもてる上役と、若い女子社員の人気が高かった。妻久仁子は和服がよく似合い、女優のような美人だが、どこか淋しげだった。その久仁子が殺された。発見者は夫の陽介、朝7時に帰宅して妻の変わりはてた姿を発見した。しかし陽介は前夜、何処で何をしていたか明かそうとしなかった。その事実を知って、田島悦子はショックだった。彼女の婚約者浜中は前夜白井と飲むといっていたのである。事実浜中の母も白井の家に行ったと話していた。浜中は白井の留守宅にいたのか?日常生活の影を描く推理小説の逸品。