内容説明
故郷・札幌での少年の頃の思い出や、外科医時代のエピソード、そして現在の生活から、創作秘話まで―。作家・渡辺淳一のデビューから今日までの軌跡をたどり、それぞれの時代の雰囲気を鮮やかに伝える、ベスト・エッセイ。
目次
初めてのアルバイト
ペチカ燃える夜
若さの裏に潜むもの
一万円の授業料
音痴の弁
外国で書く小説
北国と南国―季節に揺れ動く心
コメント嫌い
東京礼賛
野口英世と将棋〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るるぴん
3
なぜだか家にあった本。過去雑誌などに書いたエッセイをまとめたもの。20年前の出版だが、古さは感じない。率直な人柄と感性の鋭さを感じる1冊。作家としての矜持も感じる。『男女の小説の妙味は、この不透明でいわくいい難い理外の理を描くことにある。一見、些細だが、人間の心の動きの起爆剤になるような部分を、引き出して描きたい。それも一気にではなく、耳掻きのよえなものでじりじりと掻き出せれば最良である』『四季があるから鑑賞が深まり、それだけ心の表現も多彩になる』『なにかに没入しているとき、人間は美しい』が印象に残った。2019/03/31
アメヲトコ
1
少年時代の思い出から作家活動の雑感までのエッセイ集。文章はさらさら読めますが若干言い回しがくどい感じ。南の枯葉についての話は良かったです。2014/11/30
みなみ
0
昭和46年から平成7年までに書かれたエッセイ集だそうだけど、そこまで古いと感じず読めた。 京都の観光地の話(ガイドブックなどの写真は風景や建物だけが写っているのに対し、実際に行くとは多くの人や騒音など余計なものが加わっている。そういうものが除かれた写真で期待をしていくと失望が大きい) 人の多さについては気づいていたけど、騒音がイメージが違う原因ってあんまり感じてなかった。なるほど。2015/02/19