内容説明
聖子は29歳。表向きは独身だが、19歳年上の作家・能登高明と同棲している。彼女は生活のために小さな出版社で働き始めるが、間もなくその社長・加倉井と人目をしのぶ間柄になる。夜の波間を漂う小舟のように、二人の男の間で揺れる聖子。自分の心を見詰めながら生きる彼女に、いま新しい出帆の時が訪れようとしている―。心と体の危ういバランスに戸惑う女心、そして彼女の旅立ちへの決意を流麗な文体で描き出す傑作長編小説。
聖子は29歳。表向きは独身だが、19歳年上の作家・能登高明と同棲している。彼女は生活のために小さな出版社で働き始めるが、間もなくその社長・加倉井と人目をしのぶ間柄になる。夜の波間を漂う小舟のように、二人の男の間で揺れる聖子。自分の心を見詰めながら生きる彼女に、いま新しい出帆の時が訪れようとしている―。心と体の危ういバランスに戸惑う女心、そして彼女の旅立ちへの決意を流麗な文体で描き出す傑作長編小説。