感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
235
★★★★☆ 上下巻に分かれた大長編。 上巻は、昭和28年の事件が淡々と描かれ、金田一の活躍も殆どない。いわゆる壮大なプロローグである。 ここで描かれた事件が後半どのように繋がっていくのか。アメリカから送られたグラスに残る指紋は誰のものなのか。 なお、本の内容とは関係ないが、横溝さんの文体が初期と比べてかなり現代的になっている。2020/12/29
HANA
71
再読。昭和28年、一人の女が首を縊った家を舞台に、奇妙な結婚式が挙げられる。それを皮切りに病院を経営する華麗なる一族に展開する奇妙な事件。そして風鈴に見立てられた生首。金田一耕助最後の事件が今幕を開ける。といつもの著者のテイスト満載で、気が付けば一気読みさせられていた。東京が舞台なので土俗要素はほぼ無いが、著者のもう一つの特徴、やたら家系図が入り組んだ華麗な一族の方は存分に堪能出来て満足。ただ上巻で関わるのは少人数だけど。ついでながら成城の先生も出てきて、ファンとしてはそこの所だけ何度も読み返す程でした。2020/03/12
TAKA
62
金田一さん最後の事件らしく砧のご隠居(横溝)まで登場。解決までに20年の歳月が流れ、生首風鈴事件は時効となるのだが、そこまでの描写がこの上巻である。なんといっても登場人物の多いこと、そして複雑な家族関係であるからして子供とか兄弟とかが絡んでヤバいでないの状態。今回は風鈴に詩集。20年後の下巻。さてどんなおどろおどろしいのが待っているのやら。2019/10/30
えみ
50
風鈴のようにぶらさがった生首…。想像力が無くても容易に思い浮かべることができる凄惨な光景。この奇怪さは、ミステリをミステリの中だけで留めさせない横溝氏の天才とも言える世界観の爆発が成したものだ。謎の巣窟、不可思議な行動、疑心暗鬼。これはもう当たり前に金田一耕助の活躍を期待させる。人の繋がりの複雑さに加え、各々が抱える秘密が一筋縄では解決できない狂気に震撼する事件。国宝級名探偵・金田一耕助の名作を収録してきた「金田一耕助ファイル」シリーズ。今回の金田一はどんな活躍を見せるか、下巻を読むのが楽しみでしかない。2025/05/01
エドワード
50
酷暑の七月、しばし懐かしの探偵小説を読む。昭和五十三年の角川文庫。金田一耕助最後の事件の帯が目を引く。昭和二十八年の東京、白金高輪。戦争で破壊された病院跡で起きた、世にも奇妙な殺人事件。かつて母親が首を縊った家で、首だけをつるされた男。彼ら親子と病院の経営者一族の数奇な因縁。横溝正史ミステリーの真骨頂だ。市川崑監督で映画化された五作品の最後の原作である。上下巻、二十年にわたる原作を凝縮した映画が私は一番好きだ。いわゆる土俗性よりも夫婦・親子の家族の愛憎が主題となり、全編に漂う哀しいトーンが印象的だった。2016/07/17
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- 和書
- 白いお菓子