内容説明
宇宙基地に連れてこられたミノルとハルコは、奇妙な“電波幽霊”の正体をつきとめるため、基地隊員のキダ、特殊ロボットのプーボと広大な宇宙空間へ旅立った。ものすごく攻撃的な鳥が支配するテリラ星、あらゆるものを食べつくす恐ろしい植物に占領されたオロ星、かぶと虫のような怪虫に滅ぼされてしまった無人の星など、果てしない宇宙で彼らは大活躍!すばらしい空想の世界に読者を誘う、傑作ジュブナイルアドベンチャー。
著者等紹介
星新一[ホシシンイチ]
1926年東京生まれ。東京大学農学部卒。57年日本初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参加。68年『妄想銀行』で第21回日本推理作家協会賞受賞。ショートショートの第一人者として1001以上の作品を発表した。その他、時代小説、少年小説など多方面で独創性を発揮。97年、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
173
ショートショートでない星新一さんの二作の短編。どの年代も問わず、手軽に楽しめる作品ではないかな。読んでいて銀河鉄道999を思い浮かびました。主役が子供ということもあり、激しいバトルの描写になりそうなところも、どこかほんわかしてて優しさがあり、星さんの優しさが滲み出てるような気がします。古い作品ですが、この世知辛い世の中、一日の心身のダメージが大きくなってる今こそ読むべき作品ではないかと思います。ほんわかしたくなったら、何年先でも何度も再読できる作品かもしれないですね。2023/05/21
しゅわ
54
【図書館】仲良しのミノルとハルコ、そして行方不明の父親を助けたいノブオ…少年少女が広大な宇宙で大活躍する長編2本を収録したSFジュブナイルです。様々な星々をめぐり、次々と襲いかかる困難を知恵と勇気で解決!少しうまくゆき過ぎ!?なほどテンポ良い展開であっという間に読んでしまいました。所有は味のある和田誠さん表紙のものですが、片山さんのイラスト見たさに復刊の方も借りてきてみました。いやぁ~ 想像以上にこの世界にマッチしたイラストでとても良かったです♪ 特に特殊ロボットのプーボがキュートで最高 (*^_^*)2015/02/13
KAZOO
53
短篇ではなく、小学生向けのジュブナイルの中編2編が収められています。大人が読んでも楽しめます。いい意味での想像性が養われるのかもしれません。この中で書いていることなどはちょっと工夫すればたちまち大人向けの長編SFができるかもしれません。2014/10/28
催涙雨
46
短編か中編か、それくらいの長さの作品がふたつ。ショートショート以外を読むのははじめて。内容も挿絵もかわいらしく傑作ジュブナイルアドベンチャーの売り文句に異存はない。そういう作品。個人的には完全に子供向けに書かれたものよりも今までに読んだショートショート集のように風刺や皮肉がキツいもののほうが好み。やわらかいタッチの作品はそういった毒っ気の強い作品のなかにこっそり紛れ込んでいたほうが不思議と輝いて見える。こんな感じ方はよくない大人がするもののような気がしてなんとなく嫌なのだが。2018/10/14
Take@磨穿鉄靴
31
星氏と言えばショートショート。こちらは挿し絵ありの(かわいい)中編。100mのスプリンターが10000のレースに出た感じか。悪くは無いけど星氏のレンジではない感じ。私の知る星氏ならこれを10ページで語る。とはいえまあ楽しんだが星氏の場合名前でハードルが上がるのは仕方がない。★★☆☆☆2022/11/30