感想・レビュー
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幕末、学問を志し江戸から函館に渡ってきた主人公・河合準之助と妻おゆきの生き様を描く。戊辰戦争の動乱に翻弄されながら夫婦になるが、準之助は、重症で診療所内で身動きできない敵兵まで虐殺に出る狂った官兵を刺してしまい、追われる身に。領事館でのつながりから夫婦はフランスに逃れ、準之助は料理修行に打ち込むが、パリ=コミューン崩壊の戦火に吞まれ命を落としてしまう。弱者の人生を無意味に奪う戦争を嫌い、ごく普通の平和を願い、平凡ながらも大事なものを守りながら強く生きようとする者への温かい目が全編を包む名作。2017/09/30
