内容説明
戦争や遭難など、数え切れないほどの死に直面し底辺生活をさ迷いながらも、奇蹟的に生かされてきた命。人間の謎に取り組み続けた作家生活を、人が及ばない存在に対する畏敬の念とともに独自の運命観で振り返る。人間は社会がどう変わろうと生きなければならない、自分に合った道を前向きに歩むべき、と綴り、「人生八十年、死もまた愉しからずや」と結ばれた本書は、著者の生前最後に刊行された本となった。
目次
奥が深い
船幽霊
ツキは落ちる
逃避行
人生は「塞翁が馬」
二人の作家の死
人生の夢と現実
私の免許証
酒と煙草
女は永遠の謎
五十年目の解明
潮時の重さ
奇蹟
弟の死
著者等紹介
黒岩重吾[クロイワジュウゴ]
1924年大阪生まれ。同志社大卒。61年、『背徳のメス』により第44回直木賞受賞。社会派現代小説を経て、『天の川の太陽』(吉川英治文学賞)や『落日の王子蘇我入鹿』など古代史もので新境地を開き、92年第40回菊池寛賞を受賞。2003年3月に死去するまで旺盛な執筆意欲は衰えず、多数の著書を世に送り続けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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