角川文庫<br> 棺の花・那智滝情死考

角川文庫
棺の花・那智滝情死考

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784041256121

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

35
☆☆☆☆ 「那智滝情死考」は4編の連作。いずれも貧しい寒村育ちの人間の哀しい情愛を描いている。4編目の塗師の話は椀の塗りに復讐をこめていた疑いも感じさせ、情愛というよりも人間の業の深さを感じさせた。「棺の花」は騙し殺された新妻が哀れ。いずれも水上文学の萌芽と思える作品だった。2022/01/06

駄目男

19
久しぶりに、水上勉さんの小説を読んだ。20代前半だったと思うが『雁の寺』や『五番町夕霧楼』、更には私をして感動せしめた『越前竹人形』などは本当に名作だと思う。映画では若尾文子が演じていたが、やはりあの作品は彼女に相応しかったのだろうか。扨て今回の作品『棺の花』は少しミステリータッチのストーリーだったが、『那智滝情死考』は不幸な男女が心中の場所として選んだ最終の地が那智の滝だったという四編の話。2021/07/04

だい

6
人を誘うような荘厳な那智の滝の描写がすばらしい。そこで二人は、生きる希望を持ちながら生きられなかった虚しさを、死という手段で結実する。それにしても、男女の情愛を描く作者の紡ぎ出す言葉の何と味わい深い事か。胸をうつ。 2018/01/23

Penn

2
連城三紀彦が最後のエッセイ「わが人生最高の10冊」で「僕にとっては聖書のようなもの」と激賞した「那智滝情死考」が素晴らしい。奥野健男が解説で指摘するとおり、心中という結末が最初から分かっている男女の「死にそうにもないはじめの幸福を、死にいたるまでのかなしみや愛を思い切り手放しに書くこともできる」手法に引き付けられた。絶望的な貧困や病の中で育まれる愛の姿が、平明な文章で淡々と綴られるが、それでいて深い情感も味わえる。この作品を教えてくれた連城三紀彦に感謝しつつ、埋もれるには余りに惜しく、再評価を期待したい。2018/06/02

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