内容説明
一筋に学問に打ち込み業績をあげながら、社会的評価を得られない研究者の凄まじい情熱と怨念をテーマにした短編集である。延喜式の廃字の意味・戦争中の人体実験・新興宗教の弾圧事件・邪馬台国の謎の究明などに人生を賭ける男たちの行状に、自らの孤独な執念を重ねる出色の清張サスペンス。彼らを見放す女たちや頑迷な学会の様相を、昭和30年代日本の風景と共にきめ細かく描いた名品揃い。初文庫化作品を含む4編を収録。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年福岡県に生まれる。53年、『或る「小倉日記」伝』で、芥川賞を受賞。56年、朝日新聞社広告部を退社し、作家生活に入る。67年、吉川英治文学賞、70年、菊池寛賞、90年、朝日賞を受賞。92年8月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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