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角川文庫
愛 (〔平成20年〕改)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 121p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041216385
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

若くして妻を亡くし、再婚の話を持ちかけられても首を縦に振らない春吉。亡き妻に対する穏やかな、しかし深い愛情。夫婦の可笑しい小さな旅の想い出を、ひんやりとした気持ちでたどってゆく―(「結婚記念日」)。人生のある一瞬の愛がもたらす、大きな意味。ごく平凡な三組の男女のささいな出来事を通して、それぞれの愛のかたちを描く。無駄を削がれた美麗な文章と心理ドラマの妙に心打たれる、井上靖の傑作短篇。

著者等紹介

井上靖[イノウエヤスシ]
1907年、北海道旭川に生まれる。京都大学哲学科卒業。大阪毎日新聞社学芸部に勤務の傍ら、「闘牛」「猟銃」を発表。50年の「闘牛」で第22回芥川賞を受賞。51年に同社を退社後、精力的な執筆活動を開始、多彩で詩情豊かな名作を次々と生み出す。76年文化勲章を受章。代表作に『天平の甍』(芸術選奨文部大臣賞)『おろしや国酔夢譚』『孔子』(野間文芸賞)『淀どの日記』(野間文芸賞)など多数。91年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

フリージア

37
小さな貧しい木材会社の夫婦。夫春吉は妻を美しいとも可愛いとも思わなかった。しかし妻を亡くした後再婚しないでいる。妻との思い出の「結婚記念日」。妻加奈子を思う春吉の想いは愛情だ。切なかった。「死と恋と波と」は死のうとしている重い話だが登場人物は淡々としており、どんどん話が展開してひきこまれた。「石庭」と短編三題。其々の男女の関係が綺麗だった。2021/08/29

SOHSA

24
《購入本》風情豊かな大人の小説。私が生まれる5年前の作品、大昔でもなく現代でもない微妙な距離感の時代だからこそ、不思議な親近感がある。登場人物のそれぞれの心象は読み手の気持ちを鮮やかに反映して、幾重もの景色を見せてくれる。短編ながらその奥行きに作者の力量を感じた。2014/12/09

らぴ

12
三浦しをんの『天国旅行』と平行読みしたら、思いがけずちょっとダブった感じの話で驚いた。あちらは「心中」がテーマ、こちらは「愛」なのに? それにしても、男がみんな勝手でビックリだ。2010/05/31

ラムネ

10
何度目かの再読。 節約家夫婦が互いの倹約家ぷりに呆れながらも、 同志のような共感を覚え、必死に身体を寄せあう物語だ。 自身の現実に打ちひしがれた時、いつも手に取る。 今回はこれまで気にしてこなかった、他二つの短編にも心惹かれた。 切ない夫婦の愛とは異なり、別れる二人、結びつく二人。 愛とは手にした途端するりと逃げ、 そうして諦めた瞬間ふと手の内にあるような不思議なものだ。2018/04/03

アヒル

6
愛の隣にはいつも死が寄り添っている。2009/06/03

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