出版社内容情報
35歳の奈々恵は、折り合いの悪かった母の死を機に、遺品整理に実家を訪れる。出てきたバインダーには、母の字で「レシピ帳」とあった。医師だった母らしく効能や目的まで細かに記されている。ある日、弔問客として小学生の陽翔が訪れる。母とは友達だったと語る陽翔に母のレシピを再現していく中で、奈々恵は母の本当の気持ちに気づいていく。反発していたのは似た者同士だったから――涙が止まらない母とわたしの物語。
【目次】
第一章 玉葱とかき卵のスープ
第二章 レモンゼリー
第三章 とんかつの卵とじ弁当
第四章 鯖とトマトのスパゲッティーニ
内容説明
35歳の奈々恵は、折り合いの悪かった母の死を機に、遺品整理に実家を訪れる。出てきたバインダーには、母の字で「レシピ帳」とあった。医師だった母らしく効能や目的まで細かに記されている。ある日、弔問客として小学生の陽翔が訪れる。母とは友達だったと語る陽翔に母のレシピを再現していく中で、奈々恵は母の本当の気持ちに気づいていく。反発していたのは似た者同士だったから―涙が止まらない、母とわたしの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
23
折り合いの悪かった母の死を機に、遺品整理に実家を訪れた35歳の奈々恵。分かり合えなかった母が遺したレシピから、今まで気づかなかった本当の母の想いを見出していく母と娘の物語。遺品整理で出てきた医師だった母らしいレシピ帳。ある日、弔問客として訪れてきた小学生の陽翔と共に母のレシピを再現したり、母の主治医だったかつての同級生、奈々恵と母のエピソードも絡めながら、不器用で言葉足らずだった母の想いや遺してくれたものから伝わってくる細やかな配慮や想いが心に沁みて、彼女が気づくことができて良かったとしみじみ思いました。2026/07/30
アカツキ
12
奈々恵は折り合いの悪かった母の遺品整理中に手書きのレシピ帳を見つける。レシピ通りに料理を作るなかで、奈々恵は母の気持ちに気づいていく…。医師であり母だからこそ奈々恵のことを第一に考えて注意するのだけど、完璧な母親へのコンプレックスをこじらせる奈々恵には伝わらず疎遠になってしまうのが切ない。母親が残してくれたものを受け取って人生を立て直していく、しみじみ良い物語だった。登場する料理もシンプルながら美味しそう。文中にレシピが書かれているので作ろうと思えば作れるのも良い。2026/08/06
ぽけっとももんが
11
折り合いの悪かった母が亡くなって、実家に戻った奈々恵が見つけた母のレシピ。いい話なんだよ、でも石に布団は着せられないんだよ。どうしてこんなに意地張っちゃったかなぁお母さん。幸い奈々恵はその残された思いを汲み取ったけれども、だいたいはすれ違ってそのままになりそうだ。お互いちゃんと思うことは伝えておきましょう、今。2026/10/07
との
8
大切に思い合っていてもこんな風に意地を張ってすれ違ってしまうことはどうしたってあるよね、と大人になってからわかった。いまだからわかる。でも取り返しがつかないこともある 仕事で忙しくてとりあえず食べる、ということが多いけど、身体を思って、誰かを思って食事をすることは大切だよなと思いました。日々の生活に取り入れることはなかなか難しいけれど、だからこそ母のでっかい愛が感じられる2026/09/22
Naoko Takemoto
7
このジャンルをフードコージーノベルと勝手に呼ぶが、とりわけ角川文庫が力を入れているようだ。食べるという欲望と道徳的な感性がマッチして心地よく読みやすい。本作は突然亡くなった医師の母が残したレシピと、母に反抗的で実家に寄り付かなかった女性の気付きと再生の物語。親といつまで接していられるだろうか…言葉にできない想いに駆られた。この気持ちは単純なようで単純ではないんだな。斜めに構えた小説よりこんな穏やかなのが好きです。2026/10/14




