出版社内容情報
昭和8年。ロシア人の血を引く子爵・麻倉清彬は、殺人容疑をかけられた親友に呼び出され、上野のカフェーへ出向く。それが悲劇の幕開けだった。ジョーカー・ゲームとコインの裏表をなす著者渾身の代表作!
【目次】
ロマンス
内容説明
昭和8年。ロシア人の血を引く眉目秀麗な子爵・麻倉清彬は、殺人容疑をかけられた親友・多岐川嘉人に呼び出され、上野のカフェーに出向く。清彬の機転によって嘉人の嫌疑は晴れたかと思われたが、その後恩義のある元老から嘉人の動向を監視するよう指示される。一方、特高警察も清彬を訪れ、今回の殺人事件について推理を聞かせてほしいと言う―。不穏な昭和の華族社会を舞台に贈る、めくるめくスタイリッシュ・ミステリ。
著者等紹介
柳広司[ヤナギコウジ]
1967年生まれ。2001年『贋作「坊っちゃん」殺人事件』で朝日新人文学賞受賞。09年『ジョーカー・ゲーム』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まこみん
36
少し前に「普天を我が手に」を読んでいたので、昭和初期の一見平穏でありながら不安定な不穏な時代感を踏まえて読む。ロシア人の血を引き多国語が使え眉目秀麗な子爵、清彬が主人公。閉鎖的な日本の貴族社会に受け入れられず失恋を経て、機知と諧謔を仮面に纏う。親友嘉人と恩人周坊老人の板挟みになったり、台頭してきた特高にも暗にスパイの道を仄めかされる。嘉人と心に秘めた嘉人の妹万里子と殺人疑惑。何もかもから解き放たれる幻惑。彼に残された世界とは。「人が何かを完全に確信している時、それは決して真実ではないのです」切なく感無量。2026/05/07
みっち
11
大正〜昭和にかけるセピア色を感じる小説。華族、軍部、政治の裏のひとかけらだけロマンスを入れることで、こんなに奥深い味わいになるのか。時代背景と対照的に文体が軽やかで読みやすく、エンタメ色あり。相変わらず面白かった。2026/05/04
ソラ
5
【読了】C+ この作者の昭和初期が舞台の作品がとても好み。2026/05/10
みね
3
2013年に出ていたとのことだが読んでいなかった記憶。ジョーカー・ゲームシリーズが好きだったので時代を感じる文章を読んでいるだけで幸せ…… また初出が10年以上前のことであるのに、今の時代に符号するものも感じる。ロマンはある。けれど作中の時代に戻るわけにはいかない。2026/05/02
らみゅね
2
装丁が単行本と違いすぎてあざとい笑 昭和8年という少しずつきな臭くなってきた日本。減っていく財産やゴシップに悩まされる華族。デカダンとミステリを両立させた著者特有の世界観。 この後の日本がどうなるかを考えると切ない。現代に置き換えて考えさせられる。2026/05/25




