刻印―満蒙開拓団、黒川村の女性たち

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刻印―満蒙開拓団、黒川村の女性たち

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  • サイズ 46判/ページ数 232p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041163139
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

神社の境内には柔らかい笑みをたたえた地蔵菩薩がひっそりとたたずみ、ただ「乙女の碑」とだけ書かれていた。
その建立から数十年、終戦から73年の歳月が経った2018年、いわれを書き記した碑文が建てられた。
戦時下、国策により満洲後に渡った岐阜県黒川村の黒川開拓団は、日本の敗戦が色濃くなる中、生きて日本に帰るためにと敵であるソ連に助けを求め、その見返りとして18~22歳の女性たちを差し出すことにした。
身も心も傷を負いながらも、帰国後は差別や偏見にさらされてきたが、女性たちは手を携えて堂々と声を上げ続けた。
そのいきさつが、四千文字でぎっしり刻まれている。

次に生まれるその時は 平和の国に産まれたい 
愛を育て慈しみ 花咲く青春綴りたい

なぜ「あったこと」は「なかったこと」にされてきたのか。
歴史に残すことが何を生み出すのか――。
2018年に放送されたテレビ番組は大きな反響を呼び、2025年夏、映画化決定。
著者はディレクターとして、映画監督として黒川に足を運び続けた。
共同体が史実を認め、女性たちが尊厳を回復するまでを描くノンフィクション。


【目次】

はじめに

第一章 語り始めた性被害の女性たち
新聞記事
佐藤ハルエさんとの出会い
開拓者ではなかった
女塾での教え
敗戦の足音
ソ連軍に筒抜け
集団自決の現実
女性を差し出す
風呂焚き係と洗浄係
妹を守るために
自分の子どもを殺める
「現地に留まれ」
引き揚げと誹謗中傷
故郷を追われる

第二章 なかったことにはされる
乙女の碑
ハルエさんの語ったこと、語らないこと
月刊誌での告白
語られた女性たちの本音
実名を出していいといっていたのに
地元新聞の記者にも託していた
箝口令が敷かれた
連帯する女性たち

第三章 動き始めた戦後の「次の世代」
遺族会会長の交代
満蒙開拓平和記念館
沈黙の「封印」を解く
70年間納得できなかった
性接待の記録
被害者の家族の思い
2人に続く女性たち
父親が「呼び出し係」だった
過去の責任を負う

第四章 史実を碑文に刻む
構想が動き出す
除幕式での謝罪
「満洲侵略」を問う
けん引役は30年来の自民党員
碑文を建立しての記者会見

第五章 尊厳の回復
玲子さんへの謝罪
孫からの手紙
尊厳の回復
ハルエさんの死
生きとる証拠
孫の3姉妹
ハルエさんの磁力
高校の近現代史の授業
映画製作へ
女性たち8人の写真
ナレーションは大竹しのぶさんに

おわりに

内容説明

満洲に渡った岐阜県黒川村の開拓団は、終戦直後、団を守るためにと女性たちをソ連軍に差し出すことを決めた。この衝撃の事実は、小さな共同体の中で「絶対に公表しちゃいかん」と長く封印されてきた。著者は、被害の取材を進める中で満洲から帰国した彼女たちが、長く声を上げ続けていたことを知る。なぜ当人たちが被害を訴えながらも、「あったこと」は「なかったこと」にされてきたのか。事実が史実として刻印され、女性たちが尊厳を回復するまでを追う。

目次

第一章 語り始めた性被害の女性たち(新聞記事;佐藤ハルエさんとの出会い ほか)
第二章 なかったことにはできない(乙女の碑;ハルエさんの語ったこと、語らないこと ほか)
第三章 動き始めた「戦後世代」(遺族会会長の交代;満蒙開拓平和記念館 ほか)
第四章 史実を碑文に刻む(構想が動き出す;被害者の家族とともに ほか)
第五章 尊厳の回復(玲子さんへの謝罪;孫からの手紙 ほか)

著者等紹介

松原文枝[マツバラフミエ]
1966年、青森県生まれ、愛知県で育つ。90年東京大学経済学部を卒業後、テレビ朝日入社。政治部記者などを経て、2012年より「報道ステーション」チーフプロデューサーを務める。現在、ビジネス開発担当部長。19年のテレビ番組「史実を刻む‐語り継ぐ“戦争と性暴力”‐」はアメリカ国際フィルム・ビデオ祭でSilver Screen受賞。22年制作の「ハマのドン“最後の闘い”‐博打は許さない‐」は放送人グランプリ2022優秀賞などを受賞し、23年に映画化。同年のキネマ旬報ベスト・テンの文化映画で第3位となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobuko Hashimoto

27
映画「黒川の女たち」監督による著作。終戦後の混乱期、現地住民の襲撃から守ってもらう見返りにソ連軍への「性接待」を強要されたことをなかったことにはさせまいと声を上げた元満蒙開拓団の女性たち。世代や時代の変化もあって彼女らの訴えに耳を傾け、歴史に刻もうとする動きが生じる。勇気を出して声をあげた女性たちを、子や孫、ひ孫世代は敬愛し誇りに思い、それが女性たちの力になっていく様子が尊い。「性接待」がいかなるものだったか、女性たちが帰国後もいかに酷い目に遭ったかは、平井美帆『ソ連兵へ差し出された娘たち』が詳しい。2025/09/04

どら猫さとっち

14
日本敗戦が色濃くなった頃、攻めてくるソ連軍から満州開拓団を守るために、彼らが決断したのは、10代の女性たちをソ連軍に差し出すことだった。帰国した彼女たちは、周囲からの誹謗中傷に遭い、公表するなと沈黙を強いられた。時が経つにつれて、彼女たちはこれまで封印してきたことを語り始め、自らの人生を社会をも変えていく。封印から刻印へ。ドキュメンタリー映画『黒川の女たち』のすべてを一冊に。なかったことにはできない。誰も知らない戦争の悲しみに、目を背くわけにはいかない。2025/09/22

ひとまろ

4
以前読んだノンフィクション本大賞の内容と酷似してるのでほとんど知ってる内容でした。しかし何度でも記憶を掘り返さないといけない漆黒の闇です。無かったことにされた無念は計り知れない。2025/09/22

1
先行作品とあまりに酷似。それでいて、黒川の問題をはやくから一人で取材し続け、先駆けて全国に発表した平井美帆氏の存在を消していて酷いな。松原文枝氏は、女性が2013年から告発し続けていたとして、平井氏の労力や軌跡を徹底的に消しているが、平井氏が諦めずに遺族会の反対を押し切って、全国紙にルポを書いて、扉が開いたのは事実だろう。今の世の中、勇気が要っただろうに。それから全国中に報道され、遺族会長の男が碑を建てたのであって、全然誠実に記載していない。研究者・学生はノンフィクション賞受賞本を読んでチェックされたい。2025/09/28

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