出版社内容情報
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。
哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
内容説明
これまで誰も経験したことがない事態の中で、大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たちは動き出した。コロナ禍ならではの出会い・オンライン会議を駆使して広がる活動。それは大人たちも巻き込んだ、さらに大きな流れとなって―。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うものとは?出会いと別れ、誰かを思う気持ち、悲しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミヅキ]
2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セシルの夕陽
60
コロナ禍で諦めたこと、出来なかった行事や大会、思い出になるはずの修学旅行。コロナで奪われたたくさんのこと。でも、だからこそ、出来たことも出会えた人もあった。中高生たちの力や思いが詰まった天体観測【スターキャッチコンテスト】 そこで終わりじゃなかったみんなの気持ち⭐️ 青春小説は好きだ♡ 心奥にしまい込んでいた懐かしい気持ちが、熱く迫り上がってくる🔥 土星・木星はガス星で降り立つ『陸』がない、北極星は地球の自転により替わる。知識が増えた🌟 解説は宇宙飛行士:山崎直子氏🌟2025/07/06
seba
37
いよいよ「スターキャッチコンテスト」の当日。生徒たちだけでなく、周りの大人もわくわくしているさまが眩しい。そしてコンテストから数ヶ月。同じ空を共有した生徒たちの輪は、自身の心境や身近な人間関係に対しても、思わぬ形の変化をもたらしていた。改めて、コロナ禍により日常が変容させられ、その中だからこそできたことがあった一方で、本来できるはずだった当たり前というものはやはりあって、それを思うと少なからぬ悔しさは湧いてくる。それでもどんな状況であっても、「楽しもう」という前向きな意志は何よりの武器になるのだと思えた。2025/07/15
よっち
33
コロナ禍ならではの出会いから、リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。そこから大きな動きへと広がっていく下巻。真宙が理科部の目標探しの中でスターキャッチコンテストを見つけて茨城と繋がり、茨城が五島とも縁を繋いだことをきっかけに、生徒同士でなく、先生もリモート会議を駆使して、全国の天文部の生徒たちと繋がっていく展開で、コロナ禍では実際にあっただろうな…と感じさせる様々な出来事にも直面しながら、それでもコンテストに向けて取り組む中で育まれる彼らのかけがえのない絆がなかなか素敵な物語でした。2025/06/18
kanaもん
28
青春ですね。コロナ禍で制限だらけの日々であっても、決して失われた時間など無い。行動すれば、何かの経験や出会いがあり、支える人がいる。思わぬ成長や、気づけなかった思いを知ることができたり、人との関わりを改めて大切に思えた。2025/07/06
かもめ通信
20
中高生を中心とした群像劇で、コロナ禍だからこその葛藤以外にも、友達や教師たちとの関係など、丁寧に描かれていて、胸を打つシーンも多い。子どもたちだけでなく、むしろ大人たちの方が取り乱し途方に暮れたあの頃をふりかえり、自分の周りに起きたあれこれをも思い出しながら、読み進める。新聞連載当時とは状況が変わった今だからこそ、持てる感想もあるだろう。数年後、数十年後にこの本を読む人たちはどんな感想を持つのだろう、そのあたりも気になるところだ。2025/07/14