出版社内容情報
天涯孤独の少女・お葉が、町医者・道庵の診療所を手伝い始めて1年半が経つ。医術を志して励む日々の中で、他の医者に直せないと見放された旗本の奥方がやって来る。患者を見捨てたのは、因縁のある御典医だった。診療所で治療を引き受けたものの、病状は改善せず、人知れず悩む道庵に、弟子として寄り添うお葉がかけた言葉とは――。師弟として、家族としての絆を育んでいく2人に涙する。胸が温まる、書き下ろし時代医療小説!
内容説明
天涯孤独の少女・お葉が、町医者・道庵の診療所を手伝い始めて1年半が経つ。医術を志して励む日々の中で、他の医者に治せないと見放された旗本の奥方がやって来る。患者を見捨てたのは、因縁のある御典医だった。診療所で治療を引き受けたものの、病状は改善せず、人知れず悩む道庵に、弟子として寄り添うお葉がかけた言葉とは―。師弟として、家族としての絆を育んでいく2人に涙する。胸が温まる、書き下ろし時代医療小説!
著者等紹介
有馬美季子[アリマミキコ]
2016年、『縄のれん福寿』(祥伝社文庫)で時代小説デビュー。2021年、第10回日本歴史時代作家協会賞の文庫シリーズ賞を「はないちもんめ」シリーズ、「はたご雪月花」シリーズ(光文社文庫)で受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょろこ
105
シリーズ4の一冊。一年半の時を経て、今巻は至るところで垣間見えるお葉の芯の強さがいい。きっぱりと自分の意見を物申し、前巻で避けて通れない経験をしたからこその、目の前の患者への優しさと強さを兼ね備えた手当てをする姿には頼もしさも。そしてそんな彼女を支えてきた道庵先生も彼女の強さに支えられている姿にじんわりときた。また一つ絆が深くなる瞬間って見ている方も幸せになれる。義眼の手術もこの時代からあったとは。野心家源信も人柄にますます味が出てきたね。漢方医学、蘭学の相乗効果に安堵。とにかく医食同源。糖尿病は怖いな。2025/07/12
タイ子
70
お葉は看護力と道庵の片腕としてめきめき上達。日々学び、行い、尽くす。道庵の師匠としての導き方も上手いんだよね。褒める、そして自分の至らないところはちゃんと認める。女絵師の腰痛の治療をする中で父娘の仲まで取り持ってしまったり、かつて力士だった力自慢の男の眼の手術を源信がしたり(これは凄かった)、かと思えば旗本の奥方が御典医にまでさじを投げられ、道庵を頼ってやってくる。今でいう糖尿病を患い足を切る寸前の身。今回は源信の活躍が頼もしく、かつての師匠と弟子の関係を深まる。漢方の医薬と道庵の言葉が身に沁みる第4弾。2025/06/22
じお
10
★★★☆☆ 天涯孤独の少女・お葉が、町医者・道庵の診療所を手伝い始めて1年半、実力も段々ついてきたところ、同じくらいの歳の女性が腰痛を訴えやってくる、最初こそきつく当たられたものの、段々と二人は似た者同士だと気づいて…、その他エピソードを収録したシリーズ第4巻。まずまず、腐った目の手術や糖尿病で足切断など、現代でも重たい病気が出てきて、江戸時代の医術でどう対処するのかというのが見どころのひとつ。またお葉も随分逞しくなってきて、彼女が独り立ちするまでやるのかなと思いながら読了。2025/07/11
まき
9
お葉の成長がめざましい。鍼灸を学びまた自らの手で人を癒せる手段が増えたなぁ。今回は源信が活躍した。口ばかりではないところが魅力なのかも。好きなシリーズです。2025/07/07
ぷにこ
3
お葉を取り巻く医術の人は、家族のようになっていく。心を込めて人に対応することが結局信頼されるということか。2025/06/08
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