出版社内容情報
新人賞に応募された小説作品「完璧な家族の作り方」。
角川ホラー文庫編集部は、著者のある目的のため、本作の書籍化を決定しました。
※本作は、note主催・創作大賞2024〈角川ホラー文庫賞〉受賞作です。
内容説明
ある新人賞に応募された小説作品「完璧な家族の作り方」。ホラー小説を手がける某編集部は、著者の目的のため、書籍化を決定した。北九州に現存する一軒家で起きた凄惨な事件。その家で増え続ける行方不明者と、奇妙な怪談に関する取材記録の数々。応募原稿には1枚の家族写真が添付されていた―これらは、完璧な家族とその実例を通して、理想の家族のあり方を教えてくれるものです!わたしもあなたも、完璧な家族、作れます。note主催創作大賞2024角川ホラー文庫賞受賞。
著者等紹介
藍上央理[アイウエオウリ]
福岡県出身。「完璧な家族 首縊りの家」でnote主催創作大賞2024角川ホラー文庫賞を受賞。同作を改題・改稿した本作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
77
何を書けばいいのか・・・。完璧な家族を作るためには宍戸邸にお邪魔しなければいけない。その宍戸邸とは?いやぁ、気持ちわるー。北九州市にある一軒の廃墟、虎ロープを張って進入禁止。そこに入った俺は見てしまう、気絶した。そして21年後に語る宍戸邸の話。俺は今認知症の母の介護と亡き妻の忘れ形見息子の世話でいっぱい、いっぱいの毎日。母と息子は夜になれば廃墟に行きたがる。そして、廃墟の住人が語る家族だった頃の話。何が現か幻か…。最後に一葉の写真がある、完璧な家族とはこれなのか。うぅーっ、背中が寒い。。。2025/06/03
yukaring
66
北九州の某所にある宍戸邸。この家で起こった凄惨な事件を取り上げた小説が編集部に送られて来る。編集部はある目的のため、その小説を書籍化するのだがその目的とは…。その家で増え続ける行方不明者と怪事件に関する取材の記録。読めば読むほど世界が歪むような気持ち悪さに嫌悪感を隠せない。証言や手記に綴られる異様な物語と不気味としか言いようのない家族写真。点と点がつながりより恐怖が増していくのだが「完璧な家族」とは何なのか?過去に起こった事件の真実とは?一旦訪れるともう日常には戻れない、最恐最悪の家ホラーの登場。2025/06/08
ケイト
55
実話のような今流行りのモキュメンタリーホラー。土地に纏わる怪異が人を狂わすのか⋯表紙の写真が一番怖いし、なんとも気持ち悪い感情しか残らない。色んなライターやらYouTuberが潜入して、証言や手記の色々。何人犠牲が出れば、納得の【完璧な家族】になるんだろう。結局何も解決してないような⋯でもあなたもきっと宍戸邸に行きたくな〜る。ひひひひ⋯2025/05/27
Porco
20
モキュメンタリー×事故物件と近年の流行りミックスホラー。心霊現象それ自体より一家心中と殺人があった宍戸家の事件の当事者である篤と、インタビューを受けている翔太の精神がだんだんと悪い方に向かっていく過程が怖い(特に前者の歪み方) 序盤の翔太と終盤の配信者の話が冗長に感じた。2025/05/01
佐倉
15
鷹村翔太なる人物の音声記録…小学生の頃、同級生に強要されて最凶の心霊スポットと呼ばれる廃屋に肝で試しをし、そこで恐ろしい体験をしたこと…から始まり、取材メモとして少しずつ断片的な情報が開示されていく構成。高校生の頃に再び侵入しなくてはならなくなった時のこと、現在、介護をしている老母と息子が夜中に家を抜け出して廃屋へと忍び込んでいること、そしてそのいずれにも、不自然な構図で撮られた見知らぬ家族写真と完璧な家族になろうという言葉が絡んでいること。取材が進むにつれてこの家で起きた事件と怪異が明らかになっていく。2025/04/28