出版社内容情報
注文は受けない。いつだって――。都内でタクシードライバーを務める61歳の立原啓介には、密かな楽しみがあった。こだわりの食材を武器に、極上の「お家ご飯」を作り出すことに情熱を注いでいるのである。巧みな買い物術と、鋭い審美眼により生み出される料理は、まさに至高のひと皿。一人娘の菜央子も骨抜きにされている。ひと癖もふた癖もある中年オヤジの華麗なる美食の日々を描いた、病みつき必至のグルメ小説!
内容説明
注文は受けない。いつだって。都内でタクシードライバーを務める61歳の立原啓介には、密かな楽しみがあった。こだわりの食材を武器に、極上の「お家ご飯」を作り出すことに情熱を注いでいるのである。巧みな買い物術と、鋭い審美眼により生み出される料理は、まさに至高のひと皿。一人娘の菜央子も骨抜きにされている。ひと癖もふた癖もあるオヤジの華麗なる美食の日々を描いた、病みつき必至の新しいグルメ小説!
著者等紹介
荒木源[アラキゲン]
1964年、京都府生まれ。東京大学文学部仏文科卒、朝日新聞社に入社。2003年『骨ん中』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Kazuko Ohta
23
ほぼ余談なのですが、大阪・なんばに波屋書房という創業百年を超える老舗の書店があります。ここは料理の専門書に特化した本屋で、料理人御用達。私は料理人でも何でもないけれど、ただ、ここへ行くと文庫本も料理に関するものが集められていて凄く楽しい。主人公は一流企業を退職、今はタクシーの運転手。趣味は料理。いい歳をした一人娘は、外で食べて来るなり自分で作るなりすりゃいいものを、父親の手料理を楽しみにしています。今時のグルメ小説にしては少々硬めの文章だなと思うものの、生真面目な主人公の性格に合っているのかもしれません。2025/05/05
えつ
12
タクシードライバーの主人公が美味しいお店を巡ったりするのかと思いきや、まさかの自炊記録って感じだった。よく見たら、装丁もお買い物してるところ描かれてた。啓介が作る極上のお家ご飯、本当に美味しそうで食べてみたくなる。季節の旬の食材を使っていて、魅力的すぎた。そして、タクシードライバーとしての啓介は、インバウンドで増えた外国人をあえて乗せなかったり、美味しいお店聞かれても、知らない。調べたほうが早い。と言ってみたり、正直な人だなって思った。これ続くかなー?もっと色々読んでみたいなー。2025/04/18
きょん
7
一流企業をドロップアウトしてタクシードライバーとなった、ちょっと拗らせた感じの主人公。でも公休日前日に料理を作り、一杯やるのをなによりの楽しみにしている。娘とのやりとりも面白い。でもいちいち拗ねた言い方はやっぱりちょっとめんどくさいな。これシリーズ化するのかな。美食ものとかご飯ものの小説が最近増えた気がするけど、自分はそれほど入れ込めず。2025/02/02
すのーまん
4
井之頭五郎さん的な運転手さんのお話かと思いきや、だいぶ拗らせためんどくさいおじさんのお話でした。この主人公はちょっと苦手でした。2025/04/20
Jam
4
タクシー運転手が知っているおいしいお店巡りかと思いきや、自分で調理して家で食べるという展開。しかもレストランや料亭なみのこだわり抜いた食材と腕前、そのおかげで娘は家から出ていかない。一流企業から色々あって今はタクシー運転手が生業、紳士かと思えば少々めんどくさいタイプのオジサン…の料理日誌。物語として波乱の展開はありません。人畜無害な物語。プリンも出てきません。2025/03/12