出版社内容情報
自分だけに見えていたはずの怪物・蛞蝓女が
SNSで話題になっているのを知った大学生の芽衣。
粘液を垂れ流しながら追ってくる“アレ”に捕まればきっと死ぬ――
現実と向き合うため、芽衣は彼氏の恭一とともに呪いが生まれた故郷・沢母児町へ向かう。
先輩で研究者の雪丸千璃も加わり、“呪いを殺す方法”を探っていくが……。
土地神の祟りの噂、不気味な町民たち。
町の禁忌に触れた時、想像を絶する地獄が始まる。
日本ホラー小説大賞出身の鬼才による、異形蠢く戦慄の復讐譚!
内容説明
自分だけに見えていたはずの怪物・蛞蝓女がSNSで話題になっているのを知った大学生の芽衣。粘液を垂れ流しながら追ってくる“アレ”に捕まればきっと死ぬ―現実と向き合うため、芽衣は彼氏の恭一とともに呪いが生まれた故郷・沢母児町へ向かう。先輩で研究者の雪丸千璃も加わり、“呪いを殺す方法”を探っていくが…。土地神の祟りの噂、不気味な町民たち。町の禁忌に触れた時、想像を絶する地獄が始まる。異形蠢く戦慄の復讐譚。
著者等紹介
堀井拓馬[ホリイタクマ]
1987年生まれ、東京都出身。文京学院大学人間学部卒業。第18回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した『なまづま』で、2011年デビュー。奔放奇抜な想像力と独特の世界観が高く評価される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
70
じっとりと絡みつくような空気感が不穏な因習系ホラー。幼い日に“アレ”に呪われた芽衣。その日から彼女だけに見える怪異“アレ”が執拗に芽衣につきまとう。ぬちゃっと不気味な音を立て粘液を垂らしながら近づいてくる巨大な女。その女は芽衣にしか見えない筈だったのに…。芽衣の通う大学で「巨大な蛞蝓女を見た」という噂が相次ぎとうとう犠牲者が出てしまう。そして呪いを解くために故郷の町へ帰った彼女へ突きつけられる酷い現実。土地神の祟りや町の禁忌、狂信的な町民たち。怪異だけではない異形が蠢く町と狂気のラストに戦慄する物語。2025/04/11
眠る山猫屋
52
謎の怪異・蛞蝓女に追われる芽衣と、彼女を救おうとする恋人・恭一。そして雪丸千璃。あまりにも人間力の強い恭一に(逆に)不信感を抱きつつ、ちょっと奇天烈な千璃にも不安さしかない前半。幼い頃に遭遇した夜祭に、蛞蝓女の因果があるようなのだが・・・。村にかつて居た霊能者、祭の夜に出会った少年。ヒントは無数にある。そういう意味ではフェアな作品。芽衣を苦しめ追い詰める怪異はモンスターとしか言い表しようのない存在だが、出現時の異変はなかなか怖いかも。油断するとミスリードに導かれてしまう。ラストの恭一と千璃、各々良かった。2025/03/06
坂城 弥生
32
一気読みでした。2025/03/20
Porco
18
怪異の原因を調べその呪いを解くJホラー作品。主人公芽衣のルーツである沢母児町の風習と過去の事件, 怪異蛞蝓女の正体が明かされていく章節【沢母児】までは、数多くあるリングをリスペクトしたホラー作品であり、品質自体は悪くないので中々読めるが期待は超えないといった印象だったが、最後の章節である【呪い】になると霊能による恭一の末路など前章までの印象から一段階上がり、ただのJホラーで終わらない作品に進化した。2025/03/23
冬野
8
初読み作者さん。ミステリ要素のある因習系ホラー。情報量が多くて満足度も高く、湿度と粘度高めなねっちゃりした描写が気色悪くて良かった。擬音が怖い。蛞蝓女が詳細に描かれるシーンでは鳥肌が。呪いの正体を探るため、恋人&怪異研究者の先輩と共に故郷を訪れる…という中盤までの筋書きはホラーの王道だけれど、以降の展開は予想を大きく外れるもので心情的にも引きずり回された。見知った人の秘密や裏の顔を直視するのはやはり怖い。ネンの能力はどれも恐ろしく、個人的には風牢のエグさが印象に残った。千璃先輩の信念が好き。星:4.5/52025/04/01
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- 和書
- 蒼天見ゆ 角川文庫