出版社内容情報
その怪異は人を閉じ込めて殺す。すべての真実をあなたは解き明かせるか。
冠村には“窒息の家”と呼ばれる廃墟があり、「あかずめ」という怪異の言い伝えがあった。
離婚を機に地元の冠村に戻った介護と育児に追われる女性、後輩達と“窒息の家”に足を踏み入れた大学院生、
ある目的のために「あかずめ」の呪いを探る高校生、代々呪いを受け継いできた赤頭家の女。
「あかずめ」に関わった4人の物語から、呪いの条件を見破り、死を回避せよ――。
『ゆうずどの結末』が話題を呼んだ滝川さりによる、新たな体験型ホラー誕生!
内容説明
その怪異は人を閉じ込めて殺す。冠村には“窒息の家”と呼ばれる廃墟があり、「あかずめ」という怪異の言い伝えがあった。離婚を機に地元の冠村に戻った介護と育児に追われる女性、後輩達と“窒息の家”に足を踏み入れた大学院生、ある目的のために「あかずめ」の呪いを探る高校生、代々呪いを受け継いできた赤頭家の女。「あかずめ」に関わった4人の物語から、呪いの条件を見破り、死を回避せよ―新感覚・体験型ホラー!
著者等紹介
滝川さり[タキガワサリ]
1992年兵庫県生まれ。兵庫県立大学経済学部卒。2019年「お孵り」で第39回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞を受賞し、デビュー。現在、大学職員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yukaring
76
その怪異は人を閉じ込めて殺す。「あかずめ」という怪異の噂から伝播する不可解な死。知ったら最後もう逃げられない、最恐の呪いを解き明かす新感覚の体験型ホラー。その家を訪れた者は窒息死するという“窒息の家”。この廃墟のある村へ介護のために戻った女性が体験する恐怖、この家を肝試しに訪れた大学院生達が辿る末路、家庭に問題を抱え「あかずめ」の呪いを探る高校生、この村で代々呪いを受け継いできた人々。この4つの物語から呪いの規則性を暴き、死を回避する事はできるのか?人間の闇と呪いが絡まりあった業の深い物語だが面白かった。2025/03/30
眠る山猫屋
66
現時点での、滝川さりの最高傑作かもしれない。“あかずめ”という怪異をキーワードに、エピソードが積み重ねられていく。僻村で秘かに伝えられていた呪いの伝播。その呪いに触れた者は、閉ざされた場所で窒息死するという・・・。ミスリードが散りばめられていて回避は不可能。心寄り添えそうな主人公たちの、次第に暴かれていく闇。ザ・イヤミス。一章では現象が、二章では発現の法則、そして三章ではその呪いの使用法が開示されていくのだが・・・。四章では起源と因果が語られるが、それが全てではないという、魔の迷路に誘い込まれていた。2025/03/27
sayuri
52
「窒息の家」「呪いの死者」「密室のあなたへ」「赤頭家の人々」四章で構成された連作短編集。人口千人程度が暮らす冠村には“窒息の家”と呼ばれる廃墟が存在し、『あかずめ』という怪異の言い伝えがある。呪いを解く為に考察する者もいれば、呪いを利用する者もいて人間の底知れぬ悪意にゾッとした。次々と登場人物に襲い掛かる死の恐怖に、読者の自分まで終始息苦しさを覚えた。一章はイヤミスの様な読み心地で結末に鳥肌。読了後、しばらくは閉ざされた空間に行く度にこの物語を思い出しそう。ホラーとミステリーが融合した読者体験型怪異小説。2025/05/09
さっちゃん
48
冠村には“窒息の家”と呼ばれる廃墟があり、「あかずめ」という怪異の言い伝えがある。「あかずめ」に関わった4人の物語から呪いの発動条件を見破り、死を回避する体験型ホラー。/ジワジワと迫り来る死の恐怖に心拍数と血圧を上げながらの読書で疲れたけれど、先が気になってグイグイ読まされて面白かった。どのあたりが体験型なのかと思いながら読んでいたが、なるほど確かに体験型と言える。ちなみに今、条件は満たしているがまだ大丈夫。ただ、今後いつ呪いが発動するかはわからない。どうしようか…。2025/04/21
つばめ
47
前作が面白かったので手に取った本。「読者体験型ホラー」という新しい切り口で描かれる怖さ。しかも、読んだら死ぬ系のちょっと手に取るには躊躇いがある設定で、創作と分かっていても読後はドキドキする。条件を満たすと呪い殺される。どうすれば回避できる?何が根本にある?問い掛けながら読み進めても最後まで読まないと回答がふんわりとしか分からずホンモノならジ・エンド。やるせない因習とそれを復讐?として転じるモノ。2025/06/17