出版社内容情報
おいしいもの便――それは、ローカルな食べ物を送り合う幸せな宅配便。ドラマのファンサイトに集うネット仲間は、住む場所も世代もさまざまだ。推し活が命の秋田在住のネイリスト。同期の故郷・長崎で恋愛抜きの共同生活をする女性エンジニア。広島での母との同居を機に、卒婚を言い渡された元TVプロデューサー。息苦しさを抱える人々が別の土地のおいしいものを通じて、自分と向き合っていく。人生が愛おしくなる温かい物語。
内容説明
おいしいもの便―それは、ローカルな食べものを送り合う幸せな宅配便。ドラマのファンサイトに集うネット仲間は、住む場所も世代もさまざまだ。推し活が命の秋田在住のネイリスト。同僚の故郷・長崎で恋愛抜きの共同生活をする女性エンジニア。広島での母との同居を機に、卒婚を言い渡された元テレビプロデューサー。息苦しさを抱える人々が別の土地のおいしいものを通じて、自分と向き合っていく。人生が愛おしくなる温かい物語。
著者等紹介
十三湊[トサミナト]
第20回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し、デビュー。著書に、第10回エキナカ書店大賞受賞作を含む「ちどり亭にようこそ」シリーズ(全4巻)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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machi☺︎︎゛
78
おいしいもの便、ローカルな食べ物をメンバーで送り合う宅急便。初めはドラマのファンサイトのメンバーだったけどそのうちにメンバー同士で地元の有名な食べ物を送り合う関係になっていく。性別も年代もバラバラな人たちがそれぞれ選んだものを送り合うから選ぶものも多種多様で面白かった。本当に存在する食べ物だから食べ物紹介にもなっていて実際にお取り寄せしたいものも見つかり幸せになれた。2025/06/19
Karl Heintz Schneider
39
日本全国の仲間たちとご当地のおいしいものをお互いに送りあったら楽しいだろうな。そんな想いから始まったのが「おいしいもの便」おいしいものの記述はもちろん人物像系も秀逸。特に第一話に出てくる孫とおばあちゃんの話がよかった。「あんたが『お母さんに頼まれて』とか『孫だから』 って理由じゃなくあたしに会って話したいなら大歓迎だよ。」一見クールなようだけど、孫を猫かわいがりせず一人の人間として見ている姿が素敵。そして最終話に再びこの二人が出てくるんだけどおばあちゃんの意外な正体にビックリ!最後まで楽しめた一冊だった。2025/05/19
seacalf
33
頭抜けて面白かった『ちどり亭へようこそ』シリーズの十三湊さんの新作。設定もユニークだし、美味しいものもどっさり出てくるのに今回はハマらなかった。面白そうな要素は詰まっているのに纏まらない印象に加えて、今回の登場人物達にあまり親しみを持てなかったせいかも。ただ、これだけご当地ものを紹介されると旅行に行きたい欲が高まる。まだ当分先の話だが今度旅行に行く時は地元の人が長年愛してきた味を発見するべくスーパーにも立ち寄ってみたい。今までない切り口で旅行が楽しくなりそうだ。2025/06/15
よっち
23
息苦しさを抱える人々が別の土地のおいしいものを通じて、自分と向き合っていく。人生が愛おしくなる温かい連作短編集。さしおかさんが始めたローカルな食べ物を送り合う幸せな「おいしいもの便」。推し活が命の秋田在住のネイリスト、同期の故郷・長崎で恋愛抜きの共同生活をする女性エンジニア、広島で母との同居を機に、卒婚を言い渡された元TVプロデューサーなど、ドラマのファンサイトに集う住む場所も世代も様々なネット仲間が、おいしいもの便や添えられたメッセージに救われ、気持ちを切り替えるきっかけとなっていく心温かな物語でした。2025/03/28
えみちゃん
22
おひさしぶりの十三湊さんの新刊は、ドラマのファンサイトに集う仲間たちが匿名での付き合いから一歩ずつ踏み出していきます。名前も知らなければ住む場所も知らない。ましてや性別までもがあいまい。そんなゆる~いお付き合いを楽しんでいた面々が「さしおか」さんの「きりたんぽ送ってほしいひとがいたら言って」の一言からそれぞれの地元で愛されているローカルな食べ物を送りあう間柄になっていくところがいい。それぞれが現実で抱えている問題点が「おいしいもの便」を通して良い方向に舵を切っていくさまはとても前向きで読んでいて気持ちが2025/03/11