出版社内容情報
おいしいもの便――それは、ローカルな食べ物を送り合う幸せな宅配便。ドラマのファンサイトに集うネット仲間は、住む場所も世代もさまざまだ。推し活が命の秋田在住のネイリスト。同期の故郷・長崎で恋愛抜きの共同生活をする女性エンジニア。広島での母との同居を機に、卒婚を言い渡された元TVプロデューサー。息苦しさを抱える人々が別の土地のおいしいものを通じて、自分と向き合っていく。人生が愛おしくなる温かい物語。
内容説明
おいしいもの便―それは、ローカルな食べものを送り合う幸せな宅配便。ドラマのファンサイトに集うネット仲間は、住む場所も世代もさまざまだ。推し活が命の秋田在住のネイリスト。同僚の故郷・長崎で恋愛抜きの共同生活をする女性エンジニア。広島での母との同居を機に、卒婚を言い渡された元テレビプロデューサー。息苦しさを抱える人々が別の土地のおいしいものを通じて、自分と向き合っていく。人生が愛おしくなる温かい物語。
著者等紹介
十三湊[トサミナト]
第20回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞し、デビュー。著書に、第10回エキナカ書店大賞受賞作を含む「ちどり亭にようこそ」シリーズ(全4巻)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
22
息苦しさを抱える人々が別の土地のおいしいものを通じて、自分と向き合っていく。人生が愛おしくなる温かい連作短編集。さしおかさんが始めたローカルな食べ物を送り合う幸せな「おいしいもの便」。推し活が命の秋田在住のネイリスト、同期の故郷・長崎で恋愛抜きの共同生活をする女性エンジニア、広島で母との同居を機に、卒婚を言い渡された元TVプロデューサーなど、ドラマのファンサイトに集う住む場所も世代も様々なネット仲間が、おいしいもの便や添えられたメッセージに救われ、気持ちを切り替えるきっかけとなっていく心温かな物語でした。2025/03/28
えみちゃん
21
おひさしぶりの十三湊さんの新刊は、ドラマのファンサイトに集う仲間たちが匿名での付き合いから一歩ずつ踏み出していきます。名前も知らなければ住む場所も知らない。ましてや性別までもがあいまい。そんなゆる~いお付き合いを楽しんでいた面々が「さしおか」さんの「きりたんぽ送ってほしいひとがいたら言って」の一言からそれぞれの地元で愛されているローカルな食べ物を送りあう間柄になっていくところがいい。それぞれが現実で抱えている問題点が「おいしいもの便」を通して良い方向に舵を切っていくさまはとても前向きで読んでいて気持ちが2025/03/11
ユメ
18
各地のローカル食品が次々登場し、片っ端からメモしていったらリストが長くなった。どれも美味しそうで食べてみたくなる。なかでも気になったのは、秋田の「万能つゆ 味どうらくの里」。なんと、本書の前に読んでいた本(角田光代さんのエッセイ『月夜の散歩』)にも出てきたのだ。こんな風にして思いがけない形で本と本が繋がるのも、読書の醍醐味のひとつ。他の土地から送られてくる「おいしいもの便」の存在が登場人物たちの日常に新しい風を吹きこみ、彼らの世界がひらけていく様に心が温まる。私も世界の解像度を上げていきたいと思わされた。2025/04/05
ユウハル
10
読んでいると日本各地のおいしいものを知ることができて楽しかったです。知っている商品、知らない商品、行ったことある土地ない土地、おいしいものと旅をしてるような気持ちになれて嬉しい。物語の流れとしてはお仕事小説。推し活を通じて知り合ったネットの仲間達との交流によって現実に関わっている仕事や家族、仲間たちと前向きに頑張っている姿はとても元気づけられました。気負いなく読めて楽しめて最高でした。2025/02/25
hasami1025
8
BBS繋がりで、互いの地域の美味しいものを送り合う、なんだかすごく楽しそう!メンバーに品があって、炎上せず、ちょっとお馬鹿な、でも可愛いジュリアナ横手にも皆んな優しいので、安心できる。作中の食べ物もよい。個人的には特に広島と縁が薄いのもあって、鯛そうめんに特に興味を持った2025/03/08