出版社内容情報
満開の桜の中、古びた下宿屋「猫目荘」にやって来た結芽の心は重い。念願の漫画家になったものの、ヒット作を出せず、筆を折ろうと決意したのだ。未来が見えなくても、ここのまかないごはんは美味しい。牛肉とゴボウの和風炒め、タリアテッレに絡むボロネーゼ、イワシのオーブン焼き。大家の伊緒のドジっぷりも楽しく、毎日住人たちで囲む食卓はにぎやかだ。そんな中、思いがけない話が舞い込んできた――。自分を信じたいすべての人に贈る、美味しくて勇気の出る物語。
内容説明
満開の桜の中、古びた下宿屋「猫目荘」にやって来た結芽の心は重い。念願の漫画家になったものの、筆を折ろうと決意したのだ。未来が見えなくても、ここのまかないは美味しい。牛肉とごぼうの和風炒め、タリアテッレに絡むボロネーゼ、イワシのオーブン焼き。大家の伊緒のドジっぷりも楽しく、毎日食卓はにぎやかだ。そんな中、思いがけない話が舞い込んできた―。自分を信じたいすべての人に贈る、美味しくて勇気の出る物語。
著者等紹介
伽古屋圭市[カコヤケイイチ]
1972年大阪府生まれ。第8回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞した『パチプロ・コード』(文庫化にあたり『パチンコと暗号の追跡ゲーム』に改題)で、2010年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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涼
55
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/12/post-0875de.html 前回住民だった降矢が、大家になっての登場です。 そこへやってきたのが、元まんが家の結芽。あえなく挫折して、傷心を抱えての転居でしたが……。 まさに、「自分を信じたいすべての人に贈る、美味しくて勇気の出る物語」です。 年末に、いい本を読めました。2024/12/31
真理そら
50
「猫」「荘」「まかない」という字面に飛びついて2作目まで読んだ。賄いつき下宿に自分探しや夢破れた女の子が転がり込んで再生していく物語。猫のボタンは可愛いけれどまかないについては物足りなかったかも。登場人物の自分語り?が多すぎて意識低い系の読者である私の好みとは少しずれていた。2024/09/30
ぽろん
34
ヒット作が出ず、漫画家でいる事を諦めようとしている結芽の相談にのって、話した大家さんの言葉って、伽古屋さんの気持ちでもあるんだろうなあ。気持ちの温かい人達ばかりの下宿屋さん。今回も心和みました。2025/01/03
よっち
32
満開の桜の中、古びた下宿屋「猫目荘」にやって来た漫画家の結芽。悩める彼女の心を、猫目荘の美味しいまかないごはんが癒やしていく第2弾。念願の漫画家になったものの、ヒット作を出せず筆を折ろうと決意した結芽。牛肉とゴボウの和風炒め、タリアテッレに絡むボロネーゼ、イワシのオーブン焼きといった美味しいまかないごはんや、大家の伊緒のドジっぷりも交えた楽しい日々の中で、自分のことを見つめ直していくうちに、思いもかけない転機を迎える展開でしたけど、これからどうすべきかしっかりと向き合って出した答えを応援したくなりました。2024/10/22
Karl Heintz Schneider
30
前作に続く二作品目。猫目荘は今では珍しい、まかない(食事)付き下宿屋。各話においしそうな料理が紹介されている。第二話の「温奴」豆腐の上にチーズをのせてオーブンで焼き、黒コショウとおしょうゆをひとたらし。どんな味なのか想像できない!う~ん、これは一度味見してみなければ。今回、30代の独身女性・結芽が猫目荘の一員になる。最初は誰とも親密にならないようにふるまっていた彼女。でも、過ごしてゆく時間が少しずつ彼女を変えてゆき同時に前作では描かれていなかった住人の実態も明らかになってゆく。2025/01/24