出版社内容情報
感九郎に横浜の店からメリヤス仕事の依頼が入る。依頼主はアメリカ人。編み物の本場からの依頼に浮き足立つが、その相手こそ、今度の「仕組み」のターゲットだった。編み物侍が活躍する、新感覚時代活劇!
内容説明
時は江戸末期。浪人の黒瀬感九郎は真魚との祝言を控え、「仕組み」を辞退しようと思っていた矢先、指名でメリヤス仕事が入る。依頼主は横浜に店を構える米利堅人のロジャーで、手持ちのメリヤス服の破れを繕って欲しいとのことだった。ロジャーのもとを訪れると、そこには先日江戸で助けた、黄金色の髪の子どもがいた。さらに、ロジャーは今度の「仕組み」の重要人物で…!?編み物で人の心を救う、新感覚時代活劇!
著者等紹介
横山起也[ヨコヤマタツヤ]
編み物作家、文筆家。NPO法人LIFE KNIT代表、チューリップ株式会社顧問、株式会社日本ヴォーグ社「編み物チャンネル」顧問/ナビゲーターなどを務める。本シリーズ1巻『編み物ざむらい』(角川文庫)で第12回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろし新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
19
「編み物ざむらい」3冊目は、剣の腕は冴えないが、編み物には長けた浪人・黒瀬感九郎が、許嫁で大店の魚屋の娘・真魚とついに祝言を上げることになり、大恩はあるが、悪人と対峙する「仕組み」からは身を引く、と言い出しかねていると…。 (時代)小説の書き手としては新人にも関わらず、青瓢箪(by コキリ)と称される感九郎のキャラや隠し技、脇役も多彩なら、話しの運び、文章も上手い。ただ今回は、読み終わってみれば、感九郎の向後を始め、積み残し(or 抜け)が多すぎるが、今後を乞うご期待ということか?2024/10/11
冬野
6
シリーズ第三弾。時代は黒船が来航して幕末へ。祝言を控えた感九郎は「仕組み」から身を引こうとするが、舶来のメリヤスの修繕依頼が舞い込む。まずこの物語の時代設定が江戸の終わりだったことに今さら驚いた。江戸って長いもんね…。この時代、日本人と外国人の間に生まれた子の苦労は想像するに余りある。個人的に源太の息災な姿が見られて嬉しかった。感九郎と真魚がついに夫婦となって大団円みたいなシーンで終わっているが、物語としては投げっぱなしの要素も多々あるので、まだまだ続く感じかな。無事に最後まで読めますように。星:4/52024/09/24
mikipon
5
江戸末期、侍は編み物をする。という目新しい視点。無心に編むことで、心が静まるというのは同意。手仕事は素晴らしい。ストーリーの軸である悪との戦いと主人公の自己との戦い?内面の部分は分かったような、分からないような。 2024/09/22
YOUCO19
4
シリーズ3作目。シリーズ重ねるごとに面白くなっていく。メリヤス編みを知るには糸を引っ張って、ぽ、ぽ、ぽ、とほどけていく感覚を体験する’朝’少年。今後彼も編み物を習得していく姿を見てみたい。「その糸は自分の気持ちの奥底から周りの方々へつながって、辿っていくと心の迷い道から出られるのではないか」になるほど!2025/04/25
bvbo
4
シリーズ3作目。感九郎は真魚との祝言を控え、「仕組み」への参加を辞退しようとしていた矢先に指名でメリヤス仕事が入り、色々あってまた仕組みに参加する事に。感九郎はセーターも繕えるのか!すごいな。ロジャーさんを最後まで疑ってしまったな…朝くんも実は女子なのかと思ってしまった…。朝親子の件は解決したようだが、一目連については解決せず。まだ続く…? 2025/01/15