出版社内容情報
「この一冊に一気に引き込まれ時を忘れた・・・まさに渾身作」 俳優・武道家 藤岡弘、
泰平の世を迎えた江戸初期――戦国の動乱を生き抜いた宮本武蔵も老境に達していた。将軍家剣術指南役の柳生宗矩に嫉妬し、生半可な仕官の道を選ばなかった武蔵も、島原の乱で負傷したことで老いを自覚し終の棲家を求める。やがて熊本藩主・細川忠利に迎えられた武蔵は、自らが究めてきた兵法の極意を伝えるべく、岩戸霊巌洞に籠もり『五輪書』の執筆を始めた。最後に到った境地とは? 知られざる宮本武蔵像を描いた決定版!
内容説明
泰平の世を迎えた江戸初期―戦国の動乱を生き抜いた宮本武蔵も老境に達していた。将軍家剣術指南役の柳生宗矩に嫉妬し、生半可な仕官の道を選ばなかった武蔵も、島原の乱で負傷したことで老いを自覚し終の棲家を求める。やがて熊本藩主・細川忠利に迎えられた武蔵は、自らが究めてきた兵法の道を伝えるべく、岩戸山の霊巌洞に籠もり『五輪書』の執筆をはじめた。最後に至った境地とは?知られざる宮本武蔵像を描いた決定版!
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年、熊本県生まれ。脚本家などを経て、94年に作家デビュー。近年は時代小説に力を注いでいる。「隠密船頭」シリーズと「浪人奉行」シリーズで第9回日本歴史時代作家協会賞の文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旗本多忙
18
武蔵と言えば幼年から青年期を書いた吉川英治の「宮本武蔵」が一般的だろう。壮年から晩年の武蔵像は小山勝清の「それからの武蔵」だが、知る人は少ないだろう。佐々木小次郎との戦いまでの作品が多いが、強いこと勝つことを第一義とした狷介孤高の冒険期より、熊本で晩年を過ごし完成した人間武蔵の生き方が僕は好きだ。柳生の剣と比較対照されるが、忠利公に仕え、万里一空の境涯を極めた武蔵は、岩戸観音の霊巌洞で集大成ともいえる「五輪の書」を書いた 「さらば武蔵」は1冊の仕上がりだが非常に良い作品だ。為政者は爪のアカでも飲むべし。2024/10/31
ひさか
13
2022年8月角川書店刊の武蔵残日の剣を改題し、加筆修正して2024年9月角川文庫化。武蔵の一代記。晩年の武蔵の世話をする清が良い。稲葉さんらしい独自な話に仕上っている。2024/12/31
かずぺん
4
武蔵のような人生を全うできたら、心残りは無いような気がします。2024/12/20
のりべぇ
3
宮本武蔵54歳、島原の乱に参戦。ここで初めて「負けたのではないか」と思い、ここから物語が始まる。派手な剣劇はなく、やがて五輪書を生み出す。敵役で一寸嫌なヤツの柳生十兵衛が出演。直接の戦いは無い。淡々と進むがなかなか味わい深い、が記憶には残るほどの思いは未だないかな…2025/05/01
skskaaaa3
3
昔、高校時代、吉川英治の宮本武蔵を読んで以来、まさかこういう形でまた武蔵に会えるとは思わなかった。吉川英治の武蔵が激しく厳しい「動」の武蔵なら、これは晩年の厳しくも優しい穏やかな「静」の武蔵。お通に対してお清。女も良い存在感を出しており物語に潤いを与えている。読んで良かったと思える本。熊本に行って武蔵巡りをしてみたいと思った。2025/03/03