出版社内容情報
妻が家計を支え、夫が家事育児をこなす“男女反転世界”で、それぞれ中1の息子を育てる3組の夫婦。反転世界だからこそ浮かび上がる既視感と違和感に刮目!『明日の食卓』の著者が放つ、今読むべき渾身作!
内容説明
男女の役割が入れ替わった世界で生きる3家族。池ヶ谷は学童保育に勤めながら中高生の兄弟を子育て中。教師の妻は家のことはノータッチだ。澄田は共に理容店を営む義父に辟易する毎日。女性客のセクハラも日常茶飯事だ。でも澄田の娘・まひるは言う。「女も男も関係ない!お父さんたち世代が声をあげないから世の中が変わらないんだよ」。読後の違和感や既視感は何か?自身の感覚が揺さぶられる1冊。
著者等紹介
椰月美智子[ヤズキミチコ]
1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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piro
38
男と女の立場が反転した世界のお話。それだけの設定で混乱し、違和感を持つ。そこが現実の社会における理不尽なところなんだろうな。こういった描き方はなかなか面白かったです。何をもって平等と言うのかは難しいし、古くからの価値観に無意識に洗脳されていると、被差別側の考え方・感じ方も偏ってしまっているのかもしれない。その為にはお互いの話を聞き、考える事が必要ですね。その点、いつの時代も若い世代の方が柔軟。中学生達の意識に希望を感じました。俊太くん、いい奴だなぁ。現実世界の「非若者」も思考停止しない様気をつけねば…。2025/07/13
まぁみ
27
男女が入れ替わった世界の日常でのあれこれ。上手いなあ。どこを切り取っても、どのセリフを反転しても、とにかくわかる。読んでいるとつい、現実世界に反転しちゃうのよ。するとそれは見事に身勝手な男性像が出来上がるんだもの笑。現実的に考えると…少し無理もあるけれど、椰月さんの読ませる力に染まり、あるある三昧の展開や中学生のリアルに笑ったり唸ったり!実に楽しかった♪とは言え、読み出しから気付く人ばかりだと思うが…男尊女卑=女尊男卑ってことは決してない(キッパリ)。色々考えさせられるテーマばかりです。読んでみて♪2025/04/18
conyTM3
13
なんちゅうプロローグで始まるんじゃ💦 男性と女性の役割が反転した世界。 主に女性が外で働き、男性が家事育児を担う。 女尊男卑の世で、あらゆるハラスメントや性的搾取の加害者も女性という、女性であることが嫌になってしまうようなエピソードのオンパレード。 これを読んだ男性はどう思うのか気になるところ。 高確率で不快になると思うけれど、男女ともに目を背けずに読んだ方がいいと思う。 それにしてもチェリーボーイロードはどうかと思うw2025/02/06
ジニー
4
★★☆☆☆2025/03/07
あずき
4
男女逆転のパラレル現代の物語。違いを表現するのに中学生の子供がいる家庭を選んでいるのが秀逸。実際に起きた事件が男女逆転して語られると、問題の本質がより鮮明に見えてくるのを感じて、私の中のバイアスに気付く。2024/08/10