出版社内容情報
中学二年生の陽子と一つ歳下の弟リン。両親が仕事で忙しく不在がちなため、二人はいつも自己流の遊びを生み出してきた。最近気に入っているのは、真夜中に近所の家の屋根にのぼること。リンと同じ陸上部の七瀬さんも加わり、ある夜3人で屋根の上にいたところ、クラスのいじめられっ子、キオスクにその様子を見られてしまう――。
内容説明
中学二年生の陽子と一つ歳下の弟リン。両親が仕事で忙しく不在がちなため、2人はいつも自己流の遊びを生み出してきた。最近気に入っているのは、真夜中に近所の家の屋根にのぼること。リンと同じ陸上部の七瀬さんも加わり、ある夜、3人で屋根の上にいたところ、クラスのいじめられっ子、キオスクにその様子を見られてしまう―。
著者等紹介
森絵都[モリエト]
1968年東京都生まれ。早稲田大学卒業。91年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『つきのふね』で野間児童文芸賞、『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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おっとっとっ
41
中学生4人の友情小説。「ひとりでやっていかなきゃならないからこそ、ときどき手をつなぎあえる友達を見つけなさい。」きっとこれは本当に信じ合える友達を意味しているんだなと思いました。2024/05/06
くろうさぎ
18
装丁の美しさと眼にやさしい活字の大きさに惹かれて買っていました。大人からすれば限りなく危なっかしく見えても彼らからすれば、いつだってその時のベストだと思ってやっているに違いないけど、子どもの遊びではすまされない事の顛末を大人に告げた時、願わくば正直に話したことに免じて彼らの処分が寛大なものになったらいいのにと思ってしまう。でも罰を受けても、口をつぐんで真実を語らないでいるより、遥かにその後の人生はより良いものになるよね。生涯を通して付き合える仲間になれたのだから…。2025/03/21
桜もち 太郎
17
中学生姉弟、陽子とリンが編み出した遊び、真夜中に人の家の屋根に登ること。陸上部繋がりの七瀬さん、苛められっ子のキオスクまでもが。中学生の繊細な心模様は、当たり前だけれど様々だ。不登校にイジメ、どれだけ深く一人ひとりが関わり合っているのか。自分はどうだったのだろう。物語には登場しない元担任の言葉が素晴らしく効いている。「一番しんどいときは、一人で切り抜けるしかない」宇宙に一人で生まれ、一人で死んでいく「宇宙のみなしご」、だから自分で輝かないと宇宙の暗闇にのみ込まれ消えていく。深く刺さる先生の言葉が良かった。2025/03/16
ツキノ
17
【姉弟で生み出してきた大好きな遊び】2024年3月発行。平成22年6月発行の角川文庫が底本。森絵都さんの文章はすごく好き。陽子とリンの年子の姉弟が生み出した真剣な遊び。屋根のぼりがリンと同じ陸上部の七瀬さん、陽子と同じクラスの変わり者通称キオスクも交えて展開していく。十四年間、くりかえしの中で学んだこととは。「100分間で楽しむ名作小説」は字も大きく、ちょっとした物語を読みたいときには最適ないいシリーズだ。2024/05/29
えつ
13
100分間で楽しむ名作小説シリーズ10作目!!!最後は森絵都さんのこちら。可愛らしい装丁と不思議なタイトルに惹かれた。年子の陽子とリンの姉弟。その2人が考えた真剣な遊びとは真夜中の屋根のぼり。その姉弟の真剣な遊びにどんどん仲間が加わっていく。最後にタイトルの意味が分かる。思春期のあの感じを、行動を、上手く表現していてさすがすぎた。時には人と手を繋いでいたくなる。そういう時間も必要。大人になり、忘れていたことを思い出せたような気がする。2024/12/04
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