出版社内容情報
マンションの一室で元刑事の警察官・狩野雷太は衰弱した男児と、傍らで餓死した妹を発見する。母親を取り調べるものの、その本名や、なぜ子どもたちを置き去りにしたのかは不明のままだった。しかし、彼女が過去に巻き込まれた誘拐事件が明らかになり、アサヒとユウヒという兄弟が捜査線上に浮かび上がる。彼らがこの誘拐を企んだ理由とは。2つの事件を結ぶ糸は何か? ハラハラが止まらない、心揺さぶる傑作長編ミステリ!
日本推理作家協会賞<短編部門>受賞シリーズ。
内容説明
マンションの一室で元刑事の警察官・狩野雷太は衰弱した男児と、傍らで餓死した妹を発見する。母親を取り調べるものの、その本名や、なぜ子どもたちを置き去りにしたのかは不明のままだった。しかし、彼女が過去に巻き込まれた誘拐事件が明らかになり、アサヒとユウヒという兄弟が捜査線上に浮かび上がる。彼らがこの誘拐を企んだ理由とは。2つの事件を結ぶ糸は何か?ハラハラが止まらない、心揺さぶる傑作長編ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブ
34
神倉駅前交番のお巡りさん狩野雷太の推理第2弾。物語はなかなか狩野さんは登場しないまま進む。10年ぶりに再会したアサヒとユウヒを軸に誘拐、車上生活、虐待など重い内容で読むのがしんどくなってしまった。狩野雷太の登場で後半はグイグイと読ませる。またの登場に期待!2024/12/11
むつこ
31
シリーズ2作目。なかなか主人公・狩野が登場しなくてハマれずもっと面白かった印象があったので後半ようやく出てきて「そうそう!」と警察官なのに探偵のような推理(ミステリー)小説だったことを思い出した。車上生活をする児童虐待、誘拐を企てるなどドンヨリする展開だった分、真相をズバッと言い当てる主人公にスッキリした。2025/03/11
タケチヨ
25
狩野雷太シリーズ第2弾。短編集である前作が中々面白かった記憶があり長編である本作も期待して読んだが、面白い反面切なさも大きい読後感。時代を跨いだ幼児虐待の連鎖がえげつない内容だった。肝心の狩野雷太は相変わらず鋭い洞察力だが今回出番少なめで、取調べ中の心の声やたまに男性のような言葉使いになる烏丸さんのキャラのほうが印象に残った。最後に編集者さんへの謝辞が載っていたが続編はないのか?2024/10/26
ちょん
20
狩野さん久しぶり!まさかまた会えるとは!!前回の作品がどんなんだったかハッキリ覚えてないのだけど、狩野さんの飄々とした雰囲気は覚えてた✨烏丸さんの取り調べの描写シーンがとえも良かった。「見えないナイフを構えた被疑者に向かって、こちらも見えない銃を構える。」カッコよすぎる(இ௰இ`。)✨2024/10/22
mame
16
狩野シリーズ二作目。前作は短篇集で今作は長篇の叙述ミステリ。「お父さん」と慕う男と少年期を共にした義兄弟のアサヒとユウヒ。それぞれ養子に行き別々の人生を歩むが、運命的な邂逅を果たした二人はとある事情の為に狂言誘拐事件を起こす。月日が流れ予想だにしなかった事を契機に過去の事件にはじまり少年期にまで遡る。第二部に入り狩野(&月岡)も合流。何重にも張り巡らされたどんでん返しに翻弄され、プロットの綿密さに舌を巻いた。しかしそれがとても楽しかった!帯の惹句は詐欺ではないので皆さんもぜひ驚かされて下さい。2024/11/16