出版社内容情報
茨城県で滅多刺しの男女の死体と死蝋のかけらが発見される。翌日、白昼のコンビニで女子中学生たちが襲撃される第二の事件が発生。現場の指紋から捜査線上に椎野千草という女性が浮かび上がる。彼女は、十三年前に起きた史上最悪の無理心中事件の生き残りだった――。千草の足取りが掴めぬまま、増えてゆく死体。止まらぬ猟奇殺人犯を元家裁調査官・白石と県警捜査第一課・和井田コンビが追う!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
249
櫛木 理宇、5作目です。元家裁調査官 白石&県警 和井田のシリーズ第2弾、本書は、胸糞悪いチャイドル・ポルノ・イヤミステリでした。少子化の今、子供達を虐待し子育てする資格のない親たちから、子供達を確実に保護する仕組みを真剣に考えなければならない時期に来ていると思います。 https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322309000762/?srsltid=AfmBOopaTcsiVjVsR3N9wwSHvF3nXLKgcJATc5xc6REnpRF2QWSq9cUa 2024/08/09
いつでも母さん
168
気持ち悪いのにプロローグから鷲掴みされる。”影”は誰?気になって追ってしまうのは櫛木理宇に囚われている私。くぅ・・今回も反吐が出る。何が需要と供給だ!親子の話、家族の話、歪な人間の愛の話なんだけどあまりに虚しい。登場人物が多くて、だけど真相が分かった時、どんよりした想いは心に澱のように溜まったままで、これはもう櫛木理宇に何とかしてもらわなくては・・な感じ。次もまた白石・和井田コンビを待っている。2024/07/23
ちょろこ
141
沈む一冊。今作は重さでぶつけてきた、その一言だと思う。あのおぞましい前作で登場した元家裁調査官の白石と警察官の和井田コンビが茨城県で起きた猟奇殺人事件を発端に次々と浮かび上がる憤りと哀しみを追うストーリー。目を疑うほどの腐り切った大人のビジネスに衝撃と嫌悪感が止まない。需要があるから供給がうまれる、この業界のサイクルに心底吐き気がした。個々の事件の絡まりが見えるたびに歪みきった関係が鎖のように繋がり心に絡まり沈む。愛はお金では買えない。だからこそ自分に向き合ってくれる人が一人でもいる大切さが一番重く沈む。2024/07/22
モルク
136
「虜囚の犬」の白石、和井田コンビ。茨城で内縁夫婦が惨殺された。芸能事務所といってもほぼ児童ポルノを扱っていた被害者たち。犯人はかつて一家心中事件の生き残りで白石が家裁調査官時代に担当した少女だった。白石は親友の刑事和井田と共に事件を追っていくうちに…。親が子供を売る、子供を食い物にする商売、虐待そして愛されることを知らずに育ちどうやって愛したらいいのかわからない大人。様々な要素が絡む。プロローグから時々出てくる屋根裏に寄生するヤツ、誰なんだ…この負の連鎖に心が沈む。2024/09/02
タイ子
131
プロローグから始まる訝さから頁を捲る手が止まらない。親という責任感を捨てた、いや最初から持ってなかった人間たちの犠牲になった子供たちが生きる、愛されたい、と思いながらその方法が分からない。児童ポルノを映像化していた事務所の社長と内縁の妻が殺された事件から始まる。捜査の中で判明してくる過去の事件から浮かび上がる人物。親と子のいびつな関係を映し出す本作の中で、白石が亡き父親の借家を掃除しながら彼の中で巣食っていたわだかまりが埃やゴミと共に次第に消えていくのも印象的。親と子の因果は連鎖するのか…。切なすぎる。2024/08/09
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