出版社内容情報
家電商品の発火で死亡事故が発生し、マスコミから経営体質を批判された世界的電気メーカー・ニシハマ。ハーバード大を卒業し、創業一族に婿入りした梶原賢太は政界のフィクサーから、ニシハマが窮地を脱するための極秘計画を持ち掛けられる。それは、モンゴルでの使用済み核燃料の最終処分場建設という、政官財を巻き込む一大プロジェクトだった! 交錯する利権と思惑。賢太はある賭けに打って出るが――。
内容説明
世界的電機メーカー・ニシハマの創業一族に婿入りした梶原賢太は、原発建設のプロジェクトに携わっていた。建設計画の遅れが発覚し、莫大な損失が危惧されるニシハマは、窮地に立たされる。奔走する賢太のもとに常務の広重が現れ、使用済み核燃料の最終処分場建設という、政官財を巻き込むプロジェクトの遂行を命じる―。経営陣からのプレッシャーに屈せず、前代未聞のビジネスを成功に導けるのか。波瀾の企業エンタメ!
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年生まれ。米国企業在職中に『Cの福音』でデビューし、一躍脚光を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
316
半分くらい読んで、ふと自分の本棚を見るとまったく同じタイトルのハードカバーが…。全然気づいていなかった…。過去のレビューを見返してみると、掘り下げが足りないといったことを書いていたが、その点は今回も同様に感じた。実際にあった企業のスキャンダルをモチーフにして、フィクションならではの爽快なIfを展開してくれるのかと思えば、結局のところ主人公がスーパーマンなだけで、”人”に依存したオチの着け方に思えてしまう。つまらなくはないけれど似たような読感の作品も多く出版されており、いたって普通な出来。2024/12/29
terukravitz
7
★★★★☆2024/09/14
TK39
7
東芝を題材にした小説。学閥、自己保身にとらわれた経営者達。日本企業の悪しき文化により、企業は崩壊していく。なかなか面白い本でした。2024/09/09
ohion
7
東芝をモデルにした総合電機企業。原発事業、粉飾決算といかにもな内容をモデルに、日本企業の持つ文化、学閥、事なかれ主義といったものを抉ってくれます。 変わらないといけない今の状況にあるなか、未だに過去の成功体験にとらわれる日本企業をよく描写してるなと。2024/08/12
ドアラ
6
読み応えのあるビジネス小説。東芝をモデルに2015年以降次々と明らかになった粉飾決算、原子力発電事業の子会社の破綻危機、学閥・パワハラ横行の企業文化の中で、創業者一族に婿入りした主人公が苦悩しながら打開を図る展開を応援しながら読了。今も繰り返される企業不正の代表事例。「新しい血を入れ、組織を活性させなければ、どんな企業も生き残れない」ことが伝わる。東芝事件、他不正事件のその後を知りたくなった。2024/08/27