蜘蛛の牢より落つるもの

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蜘蛛の牢より落つるもの

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  • サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041142066
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

フリーライターの指谷は、オカルト系情報誌『月刊ダミアン』の依頼で21年前に起こった事件の調査記事を書くことに。
六河原村キャンプ場集団生き埋め死事件――キャンプ場に掘られた穴から複数の人間の死体が見つかったもので、集団自殺とされているが不可解な点が多い。
事件の数年後にダムが建設され、現場の村が今では水底に沈んでいるという状況や、村に伝わる「比丘尼」の逸話、そして事件の生き残りである少年の「知らない女性が穴を掘るよう指示した」という証言から、オカルト好きの間では「比丘尼の怨霊」によるものと囁かれ、伝説的な事件となっている。
事件関係者に話を聞くことになった指谷は、現地調査も兼ねて六河原ダム湖の近くでキャンプをすることに。テントの中で取材準備を進める指谷だが、夜が更けるにつれて湖のまわりには異様な気配が――

内容説明

ライターの指谷は、「六河原村キャンプ場集団生き埋め死事件」の調査記事を依頼される。21年前、キャンプ場に掘られた穴から複数の死体が見つかった不可解な事件で、村に伝わる「比丘尼」の逸話から、オカルト好きの間では「比丘尼の怨霊」によるものと囁かれている。事件後にダムが建設され、現場は村ごと水底に沈んでしまった。ダム湖の傍でキャンプをしながら取材を進める指谷。妙に多い蜘蛛にうんざりしながら関係者の話を聞いていたところ彼の周辺で異変が起こり始めて―。

著者等紹介

原浩[ハラコウ]
1974年生まれ。長野県出身。「火喰鳥」で2020年、第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“大賞”を受賞。同作を改題した『火喰鳥を、喰う』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

147
三津田信三の刀城言耶ものをマルっとパクった様なタイトルだなあと思いながら読んでみたら驚くべき事に物語も「ライトな」刀城言耶ものと言うべき物で。伝承。怪異。ホラー。ミステリー。以上の要素を絡めていくスタイルを殆んど踏襲している。気軽に読めるが、物語から受けるインパクトは本家には遠く及ばない。蜘蛛がうじゃうじゃ出て来るので苦手な人には不向きだし、どうせ読むなら本家シリーズがお勧めかと。2024/01/13

yukaring

84
ダムの底に沈んだ村、キャンプ場での集団生き埋め事件、比丘尼伝説とオカルト要素たっぷりのおどろおどろしい物語を堪能できる1冊。渇水で水が涸れ村が姿を見せた時に現れる"アレ"の恐怖。オカルトを信じないライターの指谷が出版社の依頼で六河原村の生き埋め事件を調べ始める。干上がりつつあるダム湖の側でテントをはり、生き残った関係者たちに話を聞くが皆なぜか怯えてしまっていて・・。次第に指谷の周りで起こりはじめる異変。人間の悪意なのかそれとも怪異なのか?不可解な謎と黒い恐怖、最後まで全く気が抜けない戦慄のホラーミステリ。2023/12/07

ままこ

82
ダム湖に沈んだキャンプ場。そこでは不可解な集団生き埋め死事件が起こっていた。比丘尼の伝承、不吉なことが起こるといわれる蜘蛛の年に水涸れを起こしたダム湖。「掘り出した女」「疾く埋めよ」という謎の言葉。オカルトライターが記事を書くためにダム湖の近くでキャンプをするが…。途中でオカルト推理マニアが登場して事態は思わぬ方向へ動いていく。蜘蛛の糸のように複雑に編まれた伏線。解きほぐされるにつれ、様々な要素が繋がり辻褄が次々とあっていく。人間の悪意は時に怪異に変貌する。オカルトに吸引されるミステリー。ラスト怖っ!2023/11/17

aquamarine

77
「比丘尼の怨霊」により集団自殺が起きたとされている六河原村キャンプ場集団生き埋め死事件。ダムに沈んでいたそのキャンプ場が、渇水により姿を現そうとしていた。21年前のその事件を記事にしようとしているフリーライターの指谷はダム湖のそばでキャンプをすることにするが…。大量発生する蜘蛛と複数の死者でやはり気味が悪く、ホラーなのかミステリなのかわからないまま逃れるようにページをめくった。後半、ある人物の登場で一気に物語が動く。事件は思った以上にミステリだったが、色を変えたエピローグに油断し、最後は思わず息を止めた。2023/12/13

オーウェン

66
フリーの記者の指谷が依頼された調査。 それは21年前に起きた六河原村キャンプ場の集団生き埋め事件。 冒頭からホラーの感じが続き、調査の段階でも奇怪な黒い影が登場する始末。 関係者が続々死んでいく中で、比丘尼の存在が明るみに。 こういった怪しげなものに対し、合理的な解決を最後に持ってくることでミステリとして成立させている。 ラストもホラーしており、比丘尼は元より蜘蛛の集団も恐怖である。2023/11/29

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