出版社内容情報
教官の仁子が抱えるハンデを知ったことで助教官として彼女を支えることを決意した塩見。新たな教場で学生を迎え入れる準備を整えていたところ、またしても殺人事件が発生。今度はいったい……!?
内容説明
警察学校教官の甘粕仁子は、大けがが元で人の顔の見分けがつかない。脳の働きが変わったのか、些細なにおいにも敏感になった。受け持ちの学生で元力士の玄松一輝がいた『玄煌部屋』に慈人未遂事件の噂があると聞き、頭を悩ませる中、学校近辺で不可解な転落事故が発生。その直前、仁子の鼻はあるにおいを捉えていた―「殺人のにおいがする」。苦しいまでの過敏な感覚を駆使し、学生のために真相を追う、教場小説シリーズ第2弾。
著者等紹介
吉川英梨[ヨシカワエリ]
1977年、埼玉県生まれ。『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し、2008年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
90
01教場シリーズ第2弾。警察学校の教官・甘粕仁子はケガの後遺症で顔の見分けがつかない相貌失認の教官。それを何かと補佐するのが助教の塩見。今回も新入生が入学して彼らの周りで色々な事件が巻き起こり教官たちはやせ細る思いで真実を追い求めていく。新入生の中で特段目立つのが相撲部屋から警察にやってきた学生。そして、彼の相撲部屋で起こった女将さんの傷害事件。それを秘密にしなければいけない理由とは。歩道橋からの転落事件の真実。点と線が親子で繋がって行く。吉川さんらしく愛と友情の間を彷徨わせながらウルっとさせるラスト。2024/11/24
ma-bo
88
01教場シリーズ第2弾。教官の甘粕仁子は刑事時代の怪我が元で相貌失認を患い人の見分けがつかない、献身的に支える塩見助教官。新たな1335期教場には、元力士の玄松、元高校サッカー人気選手の阿部、バツイチ子持ちの古河、感覚鈍麻の真央等一筋縄ではいかない。学校付近で起きた転落事故、助教官と転落者の関係、相撲部屋で起きていた事件、ライバル教場の決闘事件、仁子の感覚過敏と様々な問題が起き盛りだくさん。何とか卒業に漕ぎ着けた。そして仁子と塩見の関係も...続編に期待。2025/02/15
ナミのママ
73
〈警視庁01教場〉シリーズ2作目。今回はどんな騒動が持ち上がるのかと不謹慎ながらワクワクとページをめくる。これぞフィクションの楽しみ。相貌失認のハンデを抱えた甘粕仁子教官と支える助教官の塩見、2人が受け持つ1335期初任科教場に入学してきた元力士の玄松。彼のいた相撲部屋に殺人未遂疑惑。隣の教場には元高校サッカー人気選手、この2人が睨みあう。そして近隣で発生した転落事故。登場人物の関係が絡みあい過ぎに感じたがストーリーはいつもながらの熱さと涙。今作もハラハラ揺さぶられて読了。吉川作品はどのシリーズも楽しみ。2024/10/30
ゆみねこ
69
甘粕仁子は犯人を追う際に転落して大怪我を負い相貌失認という重大な後遺症に。人の顔の見分けがつかない上ににおいにも過敏になるが、塩見助教官が献身的に支える。受け持つ学生たちには元力士がいて何かと注目を浴びる。学校付近で起きた転落事故、隣の教場との決闘事件、相撲部屋で起きていた事件など盛りだくさんだが、学生たちを立派に卒業させるための仁子たちの苦労、そして最後のラブラブ。目が離せず一気読み。2025/02/01
fuku3
37
2024.12.21読了。シリーズ第2弾。新たな新人が甘粕教場に入校して来た。相撲界の有望株、サッカー界の選手だった者、バツイチ子持ちや剣道有段者だがやや鈍い女警。それを受け持つ相貌失認の甘粕仁子教官、その補佐に塩見助教官。相撲部屋での殺傷事件、近隣の歩道橋転落事件、隣教場との決闘事件、様々な問題が起こるも甘粕と塩見は身を削りながら、生徒に寄り添い何とか問題を解決してきた。仁子は感覚過敏に拍車が掛かり嗅覚や味覚障害までも発症!それを塩見の賢明なる支援で何とか乗り越え卒業迄漕ぎ着けた。もはや恋愛小説!2024/12/21