出版社内容情報
飯山藩の郡方・大竹五郎左衛門は、筆頭家老の田辺斎宮より発せられた元旦の一斉不出仕令に戸惑いを隠せずにいた。主君・本多重元と、藩政の実権を握る田辺との軋轢が限界にまで来ていたのだ。重元は、元旦に直仕置を発布し、重臣を入れ替えるという。だが、大竹らを待ち構えていたのは、恐るべき惨劇だった。田辺たちに押込を宣言され、斬殺される仲間。さらに重元も、幽閉されてしまうが──。注目の気鋭による書き下ろし。
内容説明
飯山藩の郡方・大竹五郎左衛門は、筆頭家老の田辺斎宮より発せられた元旦の一斉不出仕令に戸惑いを隠せずにいた。主君・本多重元と、藩政の実権を握る田辺との軋轢が限界にまで来ていたのだ。重元は、元旦に直仕置を発布し、重臣を入れ替えるという。だが、大竹らを待ち構えていたのは、恐るべき惨劇だった。田辺たちに押込を宣言され、斬殺される仲間。さらに重元も幽閉されてしまうが―。注目の気鋭による書き下ろし。
著者等紹介
辻井南青紀[ツジイナオキ]
1967年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部仏文専修卒。読売新聞、NHK勤務を経て、2000年、「無頭人」で第11回朝日新人文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harukawani
6
東京創元社の桂島さんと杉江松恋さんがオススメしていたので間違いないだろうと読んでみたら、いや〜ほんとに素晴らしく良かった。藩主を監禁するという主君押込。いわばクーデターであるそれに遭った藩主と、それに従う1人の侍。大坂から再起を賭ける手段とは……。とにもかくにも登場人物の造形と、スピーディな展開がすごい。落丁があったんじゃないかと疑うぐらいの速さで進むストーリーに一気に引き込まれた。大坂で物語は思わぬ展開に。難しい商人の駆け引きなんかも単純化して分かりやすく書かれていていい。ラストは哀しくも清冽。お見事。2023/10/15
6
0
○山中ゲリラ戦⇒堂島帳合米取引2023/12/21