出版社内容情報
エラリー・クイーン国名シリーズ〈プラス〉最終巻は、ニューヨーク中心部にある日本風邸宅が舞台。本作が執筆された1930年代ニューヨークでのジャポニズム・ブームが香る、エラリー唯一無二の傑作ミステリー!
【角川文庫エラリー・クイーン国名シリーズ】
(1)ローマ帽子の秘密 (2)フランス白粉の秘密 (3)オランダ靴の秘密 (4)ギリシャ棺の秘密 (5)エジプト十字架の秘密 (6)アメリカ銃の秘密 (7)シャム双子の秘密 (8)チャイナ密柑の蜜密 (9)スペイン岬の秘密
【国名シリーズ〈プラス〉】(10)中途の家 (11)境界の扉―日本カシドリの秘密
内容説明
日本育ちの女流作家カレンが、ニューヨーク中心部の邸宅で殺された。カレンは癌研究の第一人者マクルーア博士と婚約中で幸福の絶頂にいるはずだった。唯一犯行が可能だったのは、マクルーア博士の20歳の娘エヴァ。だがエヴァは無実を主張し、事件は第一次大戦前夜の日本での出来事へとつながっていく…。エラリーが父クイーン警視と対立しながら推理に挑み、ついに意外な“真犯人”を突きとめる!クイーン本格ミステリの傑作!!
著者等紹介
越前敏弥[エチゼントシヤ]
文芸翻訳者。1961年石川県金沢市生まれ。東京大学文学部国文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
332
ぜひ新訳で出してほしいと思っていたクイーン作品。事件の中身自体は、他作品でも散々繰り返されてきたテーマの変奏曲といえるもので、密室物としても、そこに期待してしまうとガッカリするオチが待っている。しかし人間ドラマがなかなかに面白く、被害者の本性が明らかになる中盤辺りから弛みなく読める。ずっと昔に読んだ過去訳とはかなり印象が変わって若々しい文体になっていた。と思う。しかしこうしてあらためて見ると、クイーンはこの手の真相を持ってくるのが本当に好きで、かなり執拗に追及していたんだなと再認識した。2024/08/05
aoringo
83
著名な研究者である博士の婚約者カレンが何者かに殺された。容疑者は自身の娘エヴァしか考えられない。犯人とその方法、そして最後で明らかになる本当の黒幕。結末に驚いたし楽しめたけど、事件そのものは少し小粒なものになるのかもしれない。誰もが犯人と疑わないエヴァを心から信じ支え続けた私立探偵のテリーと、下町育ちで粗暴な彼に次第に惹かれていくエヴァ、この二人の初々しい恋愛模様がとても良かった~!タイトルが気になって購入した本だけど、思いがけず良い出会いとなりました。2024/09/02
かさお
28
今までのゴリゴリのロジック的な堅苦しさがなく、とにかく読みやすかった。それは主人公が若く美しい女性だったからだろう。これでもか、というほどのラブロマンスが描かれており、 エリートの医師と不良っぽい探偵との三角関係なんて、懐かしの少女マンガのようではありませんか😅完全なる密室で着物を着て首を刺された女性、鳥籠から逃げた琉球カケス、謎の日本人老婆、なかなか雰囲気ありました。今回は犯人当てよりも、大人の解決をしたエラリーの心理作戦に魅せられました。これで角川の新訳シリーズ、コンプリート✨エラリー格好いい✨2025/04/13
baba
26
読メさんのレビューに魅かれて、数十年振りのエラリー・クィーン。当時は好きで読んでいたのに、今読むと違和感が拭えない。30年代の出来事だから仕方がない。日本の描写にも憮然、当時の日本はこんな印象なのですね。若い頃は西洋に憧れても、今はどっぷり時代物大好きなことを再認識しました。2024/10/20
本木英朗
18
アメリカの本格ミステリ作家のひとりである、エラリー・クイーンの長編のひとつである。俺は高校時代に創元推理文庫で1回だけ読んでいたが、まったく覚えていない。日本育ちの女流作家カレンが、ニューヨーク中心部の邸宅で殺された。カレンは癌研究の第一人者マクルーア博士と婚約中で幸福の絶頂にいるはずだった。唯一反抗が可能だったのは、博士の20歳の娘エヴァ。だがエヴァは無実を主張し、事件は第一次大戦前の日本での出来事へとつながっていく……という話である。うーん、ちょっと俺的には普通としか言えないかな、ウン。(→)2024/09/24
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