出版社内容情報
鉄道は楽しい。 そして、鉄道は哀しい。
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」内田百けん
「鉄道の『時刻表』にも、愛読者がいる」宮脇俊三
日本において鉄道紀行というジャンルを示した内田百けん。「なんにも用事がない」のに百けんが汽車で大阪に行っていた頃、普通の人にとって鉄道は、何かの用事を果たすために乗るものでした。それから四半世紀後、異なるアプローチでそのジャンルを背負った宮脇俊三。彼は、時刻表を小説のように愛読していたことを『時刻表2万キロ』で告白しています。鉄道や紀行文学の歴史とともに二人の足跡をたどる1冊です。
内容説明
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」と『特別阿房列車』に書いた、内田百〓。「鉄道の『時刻表』にも、愛読者がいる」と『時刻表2万キロ』に書いた、宮脇俊三。鉄道に乗るという行為を文学に昇華させ、鉄道紀行の世界を拓いた2人は、時代とともに変わり続ける車窓風景に、人生と日本とを見た。2人へ憧憬の念を抱く鉄道好きの著者が、それぞれの著書を読み解いて描いた、渾身の評伝。
目次
鉄道紀行誕生の背景は?
生まれた時から「鉄」だった
人生鉄路のスタート地点
それぞれの新橋駅、それぞれの鉄道唱歌
「鉄道は兵器だ!」の時代へ
東京大空襲を生き延びて
敗戦の日の鉄道
新たなスタート
鉄道好きの観光嫌い
御殿場線の運命
抗い難いトンネルの魅力
鉄道の音楽性
酒という相棒
女と鉄道
誕生鉄と葬式鉄
曾遊、その喜びと悲しみ
旅を書く・内田百〓編
旅を書く・宮脇俊三編
子供の心、大人の視線
「時は変改す」
著者等紹介
酒井順子[サカイジュンコ]
1966年東京生まれ。高校在学中より、雑誌にコラムを執筆。大学卒業後、広告会社勤務を経て、執筆に専念。『負け犬の遠吠え』(講談社文庫)で第4回婦人公論文芸賞と第20回講談社エッセイ賞をダブル受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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