出版社内容情報
【第74回読売文学賞(小説賞)受賞作】18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。ヤネケはヤンの子を産み落とすと、生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう「ベギン会」に移り住む。彼女は数学、経済学、生物学など独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、自立して暮らす彼女には手が届かない。やがてこの小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた――。女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと、変わりゆく時代を懸命に泳ぎ渡ろうとするヤン、ふたりの大きな愛の物語。
内容説明
18世紀ベルギーのフランドル地方。商家の娘ヤネケとヤンは幼なじみ。実験好きの彼女に翻弄されるヤンだが、“性の探究”の結果、彼の子供を産んだヤネケが「ベギン会」に移り住んだと知り、驚く。そこでは単身を選んだ女性たちが、自立した生活をしていた。研究論文を彼の名で発表するヤネケと、平凡な家庭を望むヤン―そんな2人にフランス革命の余波が襲いかかる。時代の不自由さに屈さない輝きを描く、第74回読売文学賞受賞作。
著者等紹介
佐藤亜紀[サトウアキ]
1962年新潟県生まれ。91年『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。2003年『天使』で芸術選奨新人賞を、08年『ミノタウロス』で吉川英治文学新人賞を、23年に本書で読売文学賞を受賞。16年に発表した『吸血鬼』と19年に発表した『黄金列車』はそれぞれTwitter文学賞国内編第1位を獲得した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Shun
olive