トゥモロー・ネヴァー・ノウズ

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トゥモロー・ネヴァー・ノウズ

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041136072
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

柞刈湯葉(SF作家)推薦
「一様で単純な災禍におそわれた、多様で複雑な人々の物語。」

三宅香帆(書評家)推薦
「“ありえない”奇異な日常を生きる、人間の本性を描き切った小説!」


◇◆


おめでとう! あなたたちに、明日はない。

永遠の「今日」を繰り返す新世界SF


私は、最愛の娘を凌辱した挙げ句に殺した犯人を――許せなかった。少年法に守られて、極刑にもならずに、今ものうのうと生きている、あの鬼畜、あの悪魔。娘のいない人生など、何の価値もなかった。私自身は、どうなってもよかった。だから包丁を握りしめ、メッタ刺しにして殺してやったのだ……、罪にふさわしい罰を与えてやったのだ……! しかし、我に返った私は復讐の決行を決意した瞬間まで引き戻されていた。何度殺しても、何度殺しても、時計は先に進まない――。


装幀/世古口敦志+清水朝美(coil)
装画/紺野真弓

内容説明

私は、最愛の娘を凌辱した挙げ句に殺した犯人を―許せなかった。少年法に守られて、極刑にもならずに、今ものうのうと生きている、あの鬼畜、あの悪魔。娘のいない人生など、何の価値もなかった。私自身は、どうなってもよかった。だから包丁を握りしめ、メッタ刺しにして殺してやったのだ…、罪にふさわしい罰を与えてやったのだ…!しかし、我に返った私は復讐の決行を決意した瞬間まで引き戻されていた。何度殺しても、何度殺しても、時計は先に進まない―。

著者等紹介

宮野優[ミヤノユウ]
北海道旭川市生まれ。北星学園大学文学部卒業。『トゥモロー・ネヴァー・ノウズ』をカクヨムに投稿し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aquamarine

68
綿密な計画を立て、私は娘を殺した男の殺害を決行する。留置所で満足して眠りにつくと、目が覚めたのは決行の日の朝だった。それから繰り返される永遠なる「今日」。そのうち、感染するように周りに同じ日を繰り返す人が現れるようになる…。物語は一日を繰り返すことになった様々な人の視点で連作の形で進んでいく。繰り返す人ばかりになれば、世界は秩序などなくなり世紀末の様相だ。突然切り取られた「今日」をどう生きるか。いつか「明日」はくるのだろうか。カクヨム発の作品とのことだが、想像以上に考えさせられ、読み応えのある一冊だった。2023/06/23

よっち

35
最愛の娘を辱め殺したのに、少年法に守られのうのうと生きている男に復讐を果たした母。しかし我に返ると復讐を決意した瞬間まで引き戻されていたことに気づく連作短編集。犯人を何度殺しても殺しても終わらないループ、先に進まない時計。そのうち感染するかのようにループが広がっていって、記憶がリセットされてしまうステイヤーよりも、記憶を維持するルーパーの数が増えてゆくことで崩壊しつつある秩序。混沌とした繰り返しの日々とどう向き合うのか、それでもいつか終わるかもしれないと信じて真摯に生きる人たちがとても印象的な結末でした。2023/06/12

baboocon

17
人類が同じ1日をループするようになった世界での人々を描く連作短編集。第1話の現実世界で地獄の獄吏と化す復讐者のエピソードだけでも読み応えがあるが、2話目以降、ループの記憶を維持するルーパーと記憶がリセットされてしまうステイヤーが入り混じり、無秩序状態となってしばらく経った世の中でどうあろうとするか、様々な国や立場の目線からのエピソードも面白い。重いテーマも鏤められているが、「いつかループが終わったら」とその先を見据えて繰り返しの日々を過ごす人達の真摯さに読後感は爽やかだった。2023/04/29

沙智

14
「性善説なんてあり得ない。人の尊厳を破壊しても平気な顔をしている人間が世の中には大勢いる。この世界は元来地獄のようなものである」というメッセージがひしひしと伝わってくる。しかし、そんな醜悪な人間達が蔓延る世界にも高潔な精神性を失わない人達は確かに存在する。彼らの存在は、地獄のような世界に射した一筋の光であり、明日を生きる希望となるだろう。2023/05/03

ユキタ

6
図書館。最終的に世界中の人がループしているバージョンは初めて読んだ。繰り返される1日に倦んで凶行に走る人が大半の中、今日でループが終わるかもしれないと希望を捨てない人たちの存在が救いになる。こういう状況に置かれたら、私ならどうするか。まず読みたい本を読み漁ると考えていたので、最終章の語り手が図書館通いを選んでいることに親近感を抱いて読み進めたら、思わぬ展開に固唾を呑んだ。面白い小説だった。2024/10/06

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