出版社内容情報
警視庁捜査一課の犬養隼人は、娘の入院仲間だった少年の告別式に参列することに。自宅療養に切り替えた彼の遺体は奇妙な痣だらけだったが、両親は心当たりがないという。さらに翌月、同じような痣のある自殺死体が発見される。検視の結果いずれも事件性なしと判断されたが、納得できない犬養が独自に捜査を進めると、謎の医療団体に行き当たり……。
これはカルトか、民間医療か。大人気社会派警察医療ミステリ第6弾!
内容説明
警視庁捜査一課の犬養隼人は、娘の入院仲間だった少年の告別式に参列することに。自宅療養に切り替えた彼の遺体は奇妙な痣だらけだったが、両親は心当たりがないという。さらに翌月、同じような痣のある自殺死体が発見される。検視の結果いずれも事件性なしと判断されたが、納得できない犬養が独自に捜査を進めると、謎の医療団体に行き当たり…。これはカルトか、民間医療か。大人気社会派警察医療ミステリシリーズ第6弾!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年、岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。同作は映画化もされ、「岬洋介」シリーズとしてベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
155
★★★★★★☆☆☆☆民間療法の闇に焦点を当てた刑事犬養隼人シリーズ第6弾。娘・沙耶香の病気が縁で知り合った少年が、自宅療養に切り替えた1ヵ月後に病死する。全身に残された痣を不審に思った犬養が非公式に調べを進める中、酷似した痣を持つ女性の自死体が発見され…。2人の背後に見え隠れするカルト団体。怪しげな主宰の男は救世主なのか、ペテン師なのか。中山作品にしてはどんでん返しは控えめな印象。個人的には、「個人の感想です」を免罪符に効果を喧伝する民間療法には胡散臭さしか感じない。ちなみにこのレビューも個人の感想です。2023/11/14
mariya926
115
犬養刑事のシリーズ本、最新作。途中から犯人と動機は分かりつつ読んでいましたが、そうなったのかという感想でした。病人とカルトをくっ付ける。なんとなく予測できる展開です。しかも最近カルトで騒がれていたので、そこからヒントを得たのかな?って思いました。最近の中山七里先生は昔に比べるとスピーディー過ぎるというか、もう少し腰を据えてあっと思うどんでん返しをして欲しいなぁと思います。2024/03/02
キナコ
77
犬飼刑事シリーズ6巻。今回は民間医療がテーマ。保険の対象外となっている民間医療を中心に不審死が発生。だが誰も訴えないという不可思議な状況でストーリーが進む。医療側と患者家族の想いは一緒なのに、上手く噛み合わないもどかしさを感じた。民間医療が悪いとはいわないが、一方間違えばカルトといわれても否定できないのが難しいところ。2024/09/17
アッシュ姉
73
タイトルが印象的で映像化もされている犬養刑事シリーズ。こちらもすっかり読んだことある気になっていたが、初読みで、しかも第六弾。中山さんはシリーズの途中から読んでも楽しめるので問題なし。著者にしては静かで控えめな展開か。第一弾から読んでみたい。2024/03/12
sin
69
医療の影の部分に対するメッセージ性の高い導入に始まり、宗教じみた団体の詐欺まがいの医療行為の描写に至り、藁にもすがる想いから民間療法に家族の治癒を託さざるを得なかった心情まで、なかなかの手応えを感じたが、ある登場人物の殺害から物語に失速感を抱いてしまった。その殺人が導入部分に直結するのだが、なんだか取って着けた様に感じて意外な真相と云うには物足りない。余談だが思いもよらない知人の訃報に(それも続けて二人)触れて癌の恐ろしさを実感したばかりなので違った切り口で医療をテーマにした物語を読んでみたいと思った。2023/08/29