出版社内容情報
秩父山域で行方不明になっていた男性が遺体で発見された。
ニホンオオカミの研究家だった男性の身体に残されていたのは、人とも獣ともつかない生物の複数の歯形。
事故死か、それとも何かに襲われたのか――真相を探るべく、潜入班は現地での調査に乗り出す。
レコーダーに録音された謎の遠吠え、奇妙な“人狼”の目撃談……
手がかりを辿り、狼信仰の伝わる神秘の地で清花たちが直面した恐るべき真実とは。
「鳴瀬清花」シリーズ第3弾!
内容説明
秩父山域で行方不明になっていた男性が遺体で発見された。ニホンオオカミの研究家だった男性の身体に残されていたのは、人とも獣ともつかない生き物の複数の歯形。事故死か、それとも何かに襲われたのか―真相を探るべく、潜入班は現地での調査に乗り出す。レコーダーに録音された謎の遠吠え、奇妙な“人狼”の目撃談…手がかりを辿り、狼信仰の伝わる神秘の地で清花たちが直面した恐るべき真実とは。「鳴瀬清花」シリーズ第3弾。
著者等紹介
内藤了[ナイトウリョウ]
2月20日生まれ。長野市出身。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
104
冒頭から始まる少年の過酷な家庭状況、その少年をキャンプに送る為山道を行く友人の父親の車。そして、事故が起きる。時と場所は変わり、警察庁特捜地域潜入班に新たな調査依頼が入る。秩父の山中で遺体で発見された男性の体に残された歯形が獣なのか人なのかはたまた物の怪の類なのか研究者では解明できないので調べて欲しいとの事。早速、現地に向かう清花たち。清花がシリーズ最初に比べて柔らかくなっていくのが分る。現地で調査をするうち見えてくる異様な現実。悲惨な事実の中で安寧の地を見つけた少年。幸せであって欲しいと願うばかり。2023/12/18
ma-bo
94
鳴瀬清花、特捜地域潜入班シリーズ第3弾。行方不明になっていた学者の男性が遺体となって発見され遺体からは人間のものとも野生動物のものともつかない歯形が見つかり潜入班は現地の調査を命じられる。三峯神社の狼信仰や伝説が絡んだ話。清花達が辿りついた隠れていた事件の解決と、現地で遭遇した事へのその後の対応は間違っていないと感じるけど、その理由は哀しすぎる。3作目で潜入班チームの役割、連帯感、関係性はどんどん良くなってきてるな。2024/05/29
sin
70
『神隠しに死霊婚。それで次は人狼って』…敢えて言うなら幽霊やモンスターはいない。しかし人に古くから不可思議な存在として捉えられてきたモノ…最近で云うなら“都市伝説”な不可解に含まれるかも知れないモノは否定出来ないかも知れない?この物語は、偶然にそうした事象を正式に調べられる受け皿として彼らの特捜地域潜入班が機能していく展開をみせていて興味深い…それはさておき、またしても児童虐待が物語のベースに語られている。親が親として責任を果たせ無いばかりか自分の子を虐げる−現実に現代社会が抱える悲劇だと思う。2024/01/01
吉田あや
52
ニホンオオカミの研究をしていた民俗学者の太田穣先生が、調査のために向かった森で遺体で発見された。その遺体には人とも動物とも判断しがたい複数の歯形が。秩父の山で人狼と遭遇し、その後憑りつかれたようにその森へと足を運んだという太田は死の直前妻に電話をしていたが、その電話にも狼のような鳴き声が含まれていた。果たしてニホンオオカミの生き残りなのか、それとも狼憑きのような現象なのか、新たな犠牲者を防ぐべく調査へと向かった地域潜入班。待ち受けるのは発見か、怪異か、或いは。(⇒)2024/10/22
ゆずぽん
45
秩父の山で発見された男性の遺体には複数の歯形が残っていた。何かに襲われたのか?潜入班が動く・・三峯神社の狼信仰と伝説を絡めたお話。ドキドキしながら読み終えたときには、切なくて目頭が熱くなり、悲しくてやりきれない思いにかられました。子供の人権を守ることは、社会で考えるべきで、見て見ぬふりはしてはいけないと強く感じました。 いつの世も、子供は幸せであって欲しい・・2024/02/06