出版社内容情報
夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この町では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好……?どんなに小さな特技でも、きっと誰かの役に立てる。公民館を舞台にした、癒やしとぬくもりの物語。
内容説明
夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この街では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。相談員に名を連ねるのは、サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好…?小さな特技を武器に人助けに挑む住民たちを描いた、癒やしとぬくもりの物語。
著者等紹介
柊サナカ[ヒイラギサナカ]
香川県生まれ、兵庫県育ち。2013年、第11回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉として、『婚活島戦記』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
110
『天国からの宅配便』シリーズの作者さんが綴るほのぼのタッチなミステリーです。とある町の公民館には、それぞれに特技、スゴ技を持った達人たちが『よろず相談所』に控えています。生まれて間もない子を抱え、育児に疲れきっていた主人公「友里」は息子が泣き止まずに困っていたトコを'寝かしつけ'の達人に助けられます。そんな「よろず相談所」の面々があらゆる日常の謎にむかって、それぞれの特技を生かしながら平和に解決していきます。困っているトキは決して1人で無理して解決しようとはせず、素直に周りにヘルプを求めるのが大切ですね。2024/01/23
Ikutan
69
泣き止まない五ヶ月の蒼くんを連れて、途方に暮れていた友里が、ふと入った公民館。その二階のよろず相談所で″赤ちゃん寝かしつけ屋″の園子さんに出会う。案内人は、防犯カウンセラー″落としの源さん″。ここには、犬の躾の専門家″犬校長の竹田″や″励まし屋竜太郎″に″お断り太郎″など人の役に立つことをやりがいとしている様々な相談員が登録されているという。『天国からの宅配便』で知った柊サナカさん。こちらもほっと心が温まる優しいお話。どのお話も面白かったけれど、一番よかったのはエピローグ。文庫書き下ろし。続編もありそう。2023/09/01
sayuri
59
「励まし屋竜太郎の、秘密のモーニングコール」「サイキック後藤の華麗なる舞台」「マナー講師舟木と悩める淑女」「オオカミ少女と犬校長」四話収録の連作短編集。物語の舞台は向日葵町内にある、ひまわり公民館の二階【よろず相談所】。ここには様々な特技を持つ老人達が集い、住民の困りごとに耳を傾け、手助けしてくれる。高齢になっても誰かに必要とされる喜び、心の拠り所となる場所がある事の安心感。相談員と相談者、それぞれが幸せになれるこんな公民館が実在していたらどんなに良いだろう。読んでいる間も読後も心がぽかぽかと温かくなる。2023/10/02
ぶんこ
51
とても良かったです。生後5ヶ月の蒼の大泣きに、心身ともに限界が近かった友里。フラフラと大泣きする蒼を抱いて辿り着いたのは公民館の2階。そこには「よろず相談所」として、地域のお年寄りが特技を使った相談所を解説していました。保育歴50年の「寝かしつけのお園」蒼の面倒を見てくれる間、束の間のお昼寝が出来た友里。それからは「落としの源さん」「励まし屋竜太郎」「音マニアの桜木」「犬校長の竹田」さん等々の活躍の手助けをすることで、長期出張ばかりで、母子世帯になってしまう寂しさや、世間と疎遠となるのも防げました。2023/11/24
のんちゃん
51
夫の転勤で向日葵町に来た友里は初めての子育てにフラフラで、ぼーっとしたまま公民館に入って行った。そこには友里の子育ての助けとなるお園さんをはじめとする、特技を持つ老人達の集団があり、よろず相談所と銘打っていた。そこの相談員達が町の謎と問題を解決していく物語。ここ数年で大好きになった柊先生の作品。全ての問題がうまく行き過ぎと感じるが、こう言うお話は大団円が相応しい。こんな優しい、町、人々があってもいい気がする。柊先生の優しい物語、この作品の続編でもいいし、別作品でも構わない、また、ぜひ読みたい。2023/09/30