出版社内容情報
自殺を決意した夏美は、ネットで繋がった同じ望みを持つ三人と車で山へ向かう。夜更け、車中で練炭に着火しようとした時、森の奥から赤ん坊の泣き声が。「最後の人助け」として一時的に赤ん坊を保護した四人。しかし赤ん坊の母親を名乗る女性がSNSに投稿した動画によって、連れ去り犯の汚名を着せられ、炎上騒動に発展、追われることに――。暴走する正義から逃れ、四人が辿り着く真相とは。
内容説明
置き去りにされた赤ん坊。育児放棄か?組織犯罪か?自殺を決意した夏美は、ネットで繋がった同じ望みを持つ三人と車で山へ向かう。夜更け、車中で練炭に着火しようとした時、森の奥から赤ん坊の泣き声が。「最後の人助け」として一時的に赤ん坊を保護した四人。しかし赤ん坊の母親を名乗る女性がSNSに投稿した動画によって、連れ去り犯の汚名を着せられ、炎上騒動に発展、追われることに―。暴走する正義から逃れ、四人が辿り着く真相とは。
著者等紹介
川瀬七緒[カワセナナオ]
1970年福島県生まれ。文化服装学院服飾科・デザイン専攻科卒。デザイナーの傍ら小説執筆を開始し、2011年『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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パトラッシュ
403
拾った捨て子の親を探す物語は昔から数あるが、そこにSNSの怖さと利便性を加えてドラマチックな展開に仕立てている。4人の自殺志願者が子捨ての場面に遭遇し、そこから追われてたちまち正体を暴かれて必死に逃走する状況はサスペンスに満ちている。逃げ回っているばかりではいられないと逆襲をかけ、相手の正体を探るうちに人身売買組織の存在が浮かび上がるなど、やられたら倍返しするドラマが小気味よい。いつの間にか自殺話は消え失せ、自分勝手に生きてきた彼らが小さ二の地を守るため奔走する、疾走感に満ちたエンタメとして成功している。2023/11/12
ひさか
274
2023年3月KADOKAWA刊。書き下ろし。ネットで知り合った集団自殺志願の四人が協力して、赤ちゃんを救いだすという展開。それなりに個性的な四人だが、なかでも夏美さんのマニアックな知識が、展開をひっぱる部分が大きく、バランスが悪い。謎も多い彼女に頼り過ぎな感もあるが、大団円なラストが良い。2023/04/28
いつでも母さん
221
有り得ない・・と断言出来ない怖ろしさがあった。年齢もバラバラなこの4人に不安と嫌悪感と恐怖、そして忘れていた優しさと希望。映画で見たような疑似家族か?このカバーの写真から想像するのは辛い‥なのに立ち向かう過程が面白くて逃げ場のないこの4人を応援していた。無垢な乳児は守られるべき存在のはず。こんな現実があるとしたら‥人はもう終わってる。ネットを上手く使って結果オーライではあったものの、やっぱり怖くて凄い世界だなぁ(汗)その後の4人がちょっと気になるところだ。2023/04/08
美紀ちゃん
220
4人の性格が悪すぎてイライラしたが赤ちゃんと出会ってからハラハラして一気読み。すごいこのチーム。最近の赤ちゃんミルク!ドリンクのように完成された状態で売っていて常温で飲めるとは!お湯や煮沸の道具などが必要で人肌に冷ましたり手間暇かけて準備したのに、最近のは一瞬で飲める状態って神すぎる。ミステリー要素もありサスペンス要素もあり、想像以上に面白かった。初めはクズみたいな性格だった4人が、ラストは例えるなら「セーラー服と機関銃」みたいな爽快さで、感動した。映画になることを期待。良い話だった。また4人で会いたい!2023/04/22
Karl Heintz Schneider
219
「ここがわたしの人生最期となる場所、臭くて汚いこの場所が」冒頭に語られる不穏な言葉に引きつけられ、一気に物語の世界へ滑り込んでいった。73歳 スナックのママ、60歳 工場経営者の男性、28歳 OL、16歳 男子高校生。練炭自殺をするために山中に集まった4人は偶然、遺棄された乳児を発見する。それまで死のうと思っていた彼らだったが突然目の前に現れた無力な生命を前にして、それまで投げやりで、バラバラだったのが一転団結し、何とかして赤ちゃんの命を救おうとするが・・・。2023/06/12
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