出版社内容情報
あるひ、いえにやってきた おれ。
そこには、うまれたばかりの おまえ がいた。
ここは、おれたちのなわばり。
一緒に成長する猫と子ども。
二人とも隅っこが好きで、いつもくっついていたけど、
気がついたら隅っこに おまえ がいないことが多くなって――。
当たり前に過ごしている時間が愛しくなる、大切な人に贈りたい絵本です。
内容説明
生まれたときからいっしょの「おまえ」。でもおまえはだんだんいないことがおおくなったよな。いつもそばにいてくれてありがとう。すべての旅立ちを応援する、ある少年と猫の物語。
著者等紹介
大森裕子[オオモリヒロコ]
神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院在学中よりフリーランスで活動をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
216
表紙絵とタイトルに魅かれて読みました。大森 裕子、二作目です。 さりげない出逢い~成長~別れ、心に沁みるストーリーでした。実際に猫はこんな風に考えているのかも知れないにゃあ(=^・^=) https://www.kadokawa.co.jp/product/322210001428/ 【読メ😻猫】2024/05/29
馨
138
絵本。猫目線の飼い主に対する気持ち。飼い主が赤ちゃんの頃からの付き合いだと、飼い猫もこんな気持ちなのかな。忘れていいからなんて、猫から言われたら悲しいな。飼い主は別の縄張りを見つけても、猫のことは忘れない。2024/04/20
道楽モン
98
これは猫に限る。犬じゃ駄目。飼い主と主人公の距離が絶妙で、まさに猫からの視点。自立とはすなわち、自らのなわばりを守ること。成長の時間差と残り時間の違いは、共生と自立、別離を象徴している。「わすれていいから」という言葉に飼い主に対する大きな愛情と父性が濃縮されているのだ。読み手の勝手な想像力は、猫の自意識を恣意的に擬人化し、そこに人間の価値観を投影して勝手に泣くのだろうけれど、猫の方がクールに自然の摂理を受容していると思う。猫のツンデレ感を巧みに作品化しているが、それはそれで、やはり猫と人間の絆は固いのだ。2024/06/02
ぶち
94
【にゃんこまつり2025(フライングです)】猫目線で描かれていて、猫の気持ちに感情移入しちゃいました。同じ時期に"縄張り"にやってきた人間の男の子と一緒に成長していきます。猫は"アニキ"として、男の子にいつもくっついて見守っていました。いつしか、男の子が成長するにつれて一緒に過ごす時間も減っていきます。そして、男の子が巣立っていくとき、猫が言った「わすれていいから」は"うんと大きくなれよ!"という男の子へのアニキのエールなんですね。そう言いながらも窓際の男の子がいた場所に移動した猫の姿に心を打たれます。2025/02/12
やも
91
この本は一緒に育ったおまえとおれの物語。昨日借りてきてもう5回読んだけど、さもない日常が胸にグッと来て、最後には目が潤んでしまう。色んなことがあったよね。こんなに一緒にいたのに、一緒にはいれなくなる日は、必ず来る。全員に。側にいて繋がるだけが愛情じゃないんだよね。場面の切り取り方がめちゃくちゃ素晴らしくて、これといったエピソードが出てこないのが、とっても良い。2024/05/03
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- 和書
- 道綱の母